『穴熊社長の、蛙鳴蝉噪(あめいせんそう) 11月号』

携帯電話を持っていない人を探すのが難しい時代になってきました。単に、電話という通信手段を越えてパソコンに電話という通信手段が付いている「スマートホン(スマホ)」が爆発的に普及し、世界の産業を牽引しています。従来の固定電話の契約数が減り、携帯電話の契約数が増えているどころか、今度は、パソコンにスマホがとってかわる時代に入ってきたようです。IT(情報技術)の進化は、めまぐるしく現役世代でもついていけるのは一部の人かもと感じてしまいます。生活スタイルやビジネスの進め方も革新する一方、スピードも著しく速く、従来の人と人の共通した感覚や人間関係のあり方までも変わっていく気がします。良い面もあれば、懸念される面もあるように感じるのは、小職の老婆心でしょうか。携帯電話の普及が進み、いつでも、その場で連絡を取りたい相手に電話をする。それは便利な反面、電話は固定であろうが携帯であろうが、実は、相手の都合は関係なしに呼出しています。出る、出ないは受け手の都合だとしても。今、目の前の人と話をしていても、ケタタマシク電話が鳴れば、会話が中断される。目の前の人に断りを入れながら、今かかってきた人の電話を優先する場合もあったり。前もって約束して面談している人に優先して、その電話の主と会話を始める。考えてみれば失礼な話とも言えるのでは。けれど、これを怒る人は殆ど見た事がありません。忙しい人なんだと思いやったり。携帯電話の着信音やコール音も個人の趣味もあったり、音量の大小もそれぞれ。会議や講演、公共の場所であってもマナーモードでないことも。面前に相手があっても、メールに夢中になっている人も、珍しくないようにも感じます。携帯電話が普及し、いつでも連絡つくのが携帯電話と思えば、それをみんなが認め合うのが常識なんだろうか。テレビやゲーム、カードゲームに夢中になっているこども。友達といっしょにいても、自分の世界に入っている。そんな子供を叱っている親が、夕食中にひたすらメールを打ちこんだりしていないだろうか。ふと我に返ってみる。世界中の人と手のひらに収まる「機械」でつながる半面、目の前の人を大切にすることを忘れちゃいけないと自嘲気味に、自重します。皆さん、「ハガキ」で、ご意見お聞かせください。今月も、お元気様です。(12・10・8)