穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)

『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2020年7月号』

 緊急事態宣言が、全国で解除されました(5月25日)。日本が、世界が感染拡大が止まらず、皆が不安に思った季節は、桜の咲く季節。春を愛でたり、新一年生や新入社員などフレッシュマンを見かけて、誰しも気持ちを新たにする季節。ところが、自粛、休業、休校…と、全てが止められました。感染の終息に向けて、ひとりひとりができる事と、従来、当たり前と思っていた自由が失われました。医療従事者を始め、最前線で戦う人たちと共に、全国民の努力によって、当面、感染者の拡大は、一定の水準に抑えられ、緊急事態宣言の解除に至りました。誰もが、これで安心とは思えなかったとしても、ひと月前の不安からは、少し落ち着きを取り戻したように感じます。今度は、感染の抑止と正常な経済活動や日常生活とのバランスのとれた、新しい生活様式を確立するのが、共通の課題となりました。
 果たしてこれは現実なのかと、ふと思うことがあります。世の中、思った通りにならないのが当たり前と思いつつ、こうありたい、こうなりたいという努力が人にはありますね。小さな会社ではありますが、経営をやっていく上では、次から次へと問題が起きてきます。思うようにいかない事は多いけれど、それも人生。「やりたいこと」と「できること」と「やるべきこと」との重なるところを描きつつ、去年よりは良くなった、いや、悪くなったと振り返る時間も束の間。日々、今ある幸せに感謝しながら、希望を持って未来へと歩き続ける。
 想定外の災害が続いた平成から令和へと新しい時代に。予測不能な災害も、「被災地」が限定されて、応援、支援もできたけれど、今回の新型コロナウィルスは、世界中、どこにいても被災地と言える状態。全ての人類が協力して、助け合わなければ解決しない課題です。
 人は一人では生きていけない。互い協力して支え合う社会が大きくなり、国家が成り立つ。その中に、それぞれの役割を持った企業が活動し、社会生活が成り立つ。たくさんの人が集まって大きな仕事をする大企業。また、それによる恩恵を受ける人類。自国のみならず、世界がつながる。そんな経済社会も、人との接触を避けたり、なるべく人が集まらにような努力が必要になる「コロナ社会」。私たちの身近な生活でも、年中行事で行われてきた地域活動も、全て中止。お店も休む。イベントも中止。五輪も延期。人が集まり、人を集める事を優先してきた基準が崩れた。
 これが変わる機会。ピンチをチャンスと掛け声は挙げても、さあ、これから、何をする。誰も知らない、予測できない時代へ。原点は、人として生きていく上で大切にしたいことを見つめ直す事かと思うこの頃です。
 今月も、負けずに、お元気様です。(20・5・27)