エマ商会

　「民主主義」。法律・政策・指導者、国家の体制等が直接的・間接的に「人民」によって決定される統治システムとされます。現代の民主国家は、人民が選挙権を行使し自らの代表者（代行者）を選び、選ばれた人たちはその意思を代行し、多数決・法の支配によって権力が行使される。日本も民主主義の国ではありますが、そう断言できない感覚がどこかにありませんか…。昨年は、日本にあっても大きな選挙があり、自民党が少数与党となったり、世界の大国・米国にあっては史上最高齢の大統領が返り咲きました。隣国では、大統領が弾劾裁判により審判されたり、民主主義国家にあって大きな出来事が続きます。
　ある報告書によれば、民主主義で成り立つ国家は世界の約45％。半分は、民主主義ではない。戦後生まれの民主主義の教育を受けてきた国民が多くを占める令和の日本。今の米国の姿をはじめ、民主主義の仕組みや体制が変わってきています。「分断社会」、「格差社会」と言われるものの正体や明確な理由を明らかにする指導者や見識は、残念ながら、不勉強な小職は存じあげません。日本にとって米国は80年前に戦争で負けた国。核爆弾を日本に投下した国とは知っていても、「自由」、「寛容」、「博愛」を標榜した国。米国第16代大統領リンカーンの演説。「人民の、人民による、人民のための政治」。キング牧師の人種差別根絶、人権の尊重を訴えた演説。「私には夢がある（I　have a dream）。それは、いつか私の４人の子どもが、肌の色ではなく人格で評価される国に住む事になるという夢だ」。これらのメッセージは歴史に刻まれ「古き偉大な米国」の象徴と言える言葉ではないでしょうか。昭和のおっさんからすると、今の米国は、別の国。「変わる」、「変えていく」上では必要な事かもしれませんが…。
　人が生きていく上で宗教にも大きな価値があると認識しています。日本人の多くは無宗教な人が多いと言われても、「神仏習合」による、価値観、趣向、風習、文化は強い影響を受け、国のベースとなっているように思います。世界的には、キリスト教（信者24億人・人口比率約31％）、イスラム教19億人・同24％）、ヒンズー教（13億人・同16％）、仏教５億人・同6％）。宗教の対立を理由に、歴史的に何度となく紛争・戦争は起きていますが、どの宗教も、人類がより幸せに生きていく上で必要な教えが示されているのであり、争いや戦争を尊重するような宗教はないはず.。もう謎解きされてもいいのでは…神様・仏様。
　１年の始まりの月。「正しい月」と書いて「正月」。長野駅での痛ましいニュースも入ってきましたが、不安を希望に変えて、年末には良い年だったと、日々、前向きに生きていきたいものです。今月も、お元気様です。（25・1・26）