『穴熊社長の、蛙鳴蝉噪(あめいせんそう) 2012年10月号』

暑い夏が始まると同時にスタートしたロンドンオリンピックも閉幕し、気付いてみれば季節も変わり、今年も残された月を数えてみて、時間の流れの早さに驚くのは、私だけでは…ないですよね。開幕前は、少し盛り上がりに欠けた感もありましたが、終わってみれば、過去最高の獲得メダル数。選手の競技と笑顔にはたくさんの感動と元気をいただきました。
厚生労働省の統計によれば、平成23年における学校卒業後に、就職する意思もなく、進学の意思もない、いわゆる「ニート」と呼ばれる20代以下の若者が40万人を超しているようです。日本の未来を担う若者の行く末が心配される中、それと同世代の選手達の立居振舞は、とても選手たちの活躍は頼もしく感じました。メダルという成果を手に入れた姿をみると、本当に華々しく輝いて、まさしく成功者と誰もが思う瞬間です。
自分の好きなスポーツに打ち込んだ上、世界の頂点に登り詰め、本当に幸せそうに見えますが、そこに至るまでには、語り切れない、人知れぬ苦労があることは間違いがありません。好きだと思って始めた競技であっても、過酷な練習も好きだった、楽しかったと言い切る選手はそうはいないでしょう。結果を手に入れた時には、努力が報われ、良い思い出に変わったとしても。好きな事だけ、やりたい事だけやって済むことはない。そうは問屋は卸さないと思っても、キツイ練習をやり続ける事ができるのは、「こうなりたい!!」という希望と、「こうなれる!!」という自分を信じる力が、「辛い、無理」という自分に打克ち、やり続けたから。「こうありたい」という強い願望から、数々の試練も乗り越えた人が手に入れられる勲章ということでしょうか。…口で言うのは簡単ですが。病気の痛みを伴う治療も、治癒すると思うから我慢はできても、治らないのであれば、痛みに耐える気にもなりませんね。そして、選手たちに共通するのは、感謝の言葉です。当然、選手本人の努力の上に成り立っていますが、ひとりの力だけでなく、人に支えられてこそ辿りつけるものでなんでしょうね。
 小職のような凡人からは、世界のアスリートの精神性を思っても妄想レベルですが、でも「こうありたい」という自分の目標を持って、日々努力していくのが豊かな人生を創っていくんだと信じたいと思います。
今月も、お元気様です。(12・9・6)