『穴熊社長の、蛙鳴蝉噪(あめいせんそう) 12月号』

長寿大国と言われて久しい日本ですが、現役バリバリ超元気な高齢者が各界で活躍しています。事の良し悪しは別として、
中国から最も敵対視される政治家で、東京都知事を辞職し、新党結成。次の衆議院選挙に出馬予定の石原新太郎氏80歳。長引く消費低迷の中、大手スーパーが軒並み業績を落とす中、成長を続けるコンビニ・セブンイレブンジャパンの最高経営責任者(CEO)鈴木敏文氏(長野県坂城町出身)も80歳。連結売上1兆2千億円の京セラの創業者でもあり、NTT民営化に挑み、KDDIを設立。最近では、破綻した日本航空のCEOとして、たった1年で再上場させた稲盛和夫氏80歳。
「日刊ゲンダイ」に土日を除き、37年間連載執筆中。北海道新聞から琉球新聞まで、千六百万部を超す新聞に掲載されている『親鸞』の著者五木寛之も80歳。これから、親鸞の第3部の執筆にとりかかるとの事。因みに親鸞も、八百年前に、90歳まで生きたそうです。

医学界にあっては、テレビでもよく見かける聖路加病院理事長の日野原重明氏にいたっては、101歳で医療現場で回診しています。私は、風邪をひいたとしても、診てもらおうとは思いませんが…(笑)。日野原先生を除いては、健康や長寿に良いと言われるような健康法は特にお持ちでないようです。この生命力は、一体どこからくるのか。
 日本の脳科学の第一人者の茂木健一郎氏。「意欲の高い高齢者は最強だ」とおっしゃっています。人は、肉体的には老いて、減退はしても、脳は経験を重ねることで成長し、特に、逆境が人を育てると。PASSION(パッション)という英語は「情熱」を意味し、ラテン語の語源を辿ると、「受難」を意味するそうです。つまり、受難が情熱をつくっていく。戦争を乗り越え、「志高く」、「受難を乗り越えた人生」こそが、「平成の80歳」を創ったともいえるのかもしれません。
GHQ占領下マッカーサー元帥の背後の額にはサミュエル・ウルマンの詩「青春」が掲げられていました。「(抜粋)…年を重ねただけでは人は老いない。理想を失う時に初めて老いが来る…」この詩は、故父も大好きでした。今年も残り少なくなってきましたが、今月も、お元気様です。「がんばろう。80歳!!」(12・11・7)
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