『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2021年9月号』

 1年遅れで、「TOKYO 2020」、五輪が始まりました。小紙が、皆様のお手元に届く頃は、五輪は終了し、パラリンピックが始まり、それもまた、閉会していることでしょう。コロナ禍にあって、一都三県で非常事態宣言が発令される中、1ヵ月後が、どうなっているかは分かりませんが、「いろいろあったけど、やって良かったね」と言えたらと思います。やる以上は、そういう事ですね。

 世論調査…世間の人たちの意識や意見を聞き取り、集計し、物事を決めていく上での、判断材料として使われる事もありますね。方法や対象とする母集団によって、結果は変わるものの、開催前に実施された、ある調査によれば、今回の、五輪に関しては、「中止」が過半数。次に、更に1年延期が多数。「開催」は、少数派の結果がありました。意識調査への回答は、回答者の各々の意識を述べたものであり、述べたからといって、何か責任が負わされるものではありません。世論調査の結果に反した決断をした、大会の主催者、運営者は、責任は伴うもの。どんな責任が課せらるかは分かりませんが…。責任を問うのは、何かしら、それによって多大な影響や損害を受けた人が主張するのが筋となるでしょう。開催直前まで、関係者の不祥事により、役職を辞任するなど、大会開催中、終了後も、何かしら、類似した事もあからさまになる可能性もあり得ます。国際オリンピック委員会(IOC)の在り方や、五輪自体の意義も、議論されることになるかと思われます。

 古代オリンピックは、紀元前9世紀に、古代ギリシャで、「オリンピア祭典競技」と称して、宗教行事として、神域における体育や芸術の競技祭として開催され、393年の第293回の大会を最後に終焉したとされます。近代オリンピックとして再開されたのは、1896年のアテネ大会。オリンピック憲章には、「スポーツを通して、青少年を教育することによって平和でより良い世界づくりに貢献し、スポーツ文化を通して、世界の人々の健康と道徳の資質を向上させ、相互の交流を通して互いの理解の度を深め、友情の環を広げることにより、住みよい社会を作り、ひいては世界平和の維持と確立に寄与することをその主たる目的とする」と定められています。文面通り読めば、近代オリンピックの目的は、あくまで「世界平和の維持と確立に寄与する」ことで、国威発揚や開催国の経済効果ではないことは明白です。とはいうものの、前回の東京五輪は、戦後復興の象徴として、それを機に、新幹線、高速道路が整備されたり、国の発展、成長に寄与した事は否めません。

 立場が違えば色々な意見や考えがあるのは当たり前。それでも、出場する全てアスリートの今までの純粋な努力の結晶に対して、純粋な気持ちで賞賛したいものです。

 今月も、お元気様です。(21・7・29)