『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2021年5月号』

「東京オリンピック・パラリンピック」の開催に向けて、3月25日聖火リレーがスタートしました。福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」からスタートし7月23日の開会式までの4か月間、47都道府県を巡ります。予定では長野県は、4月1、2日。コロナ禍で、沿道の応援者が規制される分、今年は、ちょっと早めの桜の開花がまさに花を添えてくれる事でしょう。小紙5月号が発刊される頃は、四国・九州へと渡ります。
聖火リレーは、ギリシャ・オリンピアの太陽光で採火された炎をギリシャ国内と開催国でリレーによって開会式までつなげるものです。オリンピックのシンボルである聖火を掲げることにより、平和・団結・友愛といったオリンピックの理想を体現し、開催国全体にオリンピックを広め、来るオリンピックの開催への関心と期待を呼び起こす役目をもっているとされます。
解釈はいろいろあるとは思いますが、日本の伝統行事である「お木曳」を連想します。木曽でも、ご神木祭には、「お木曳」が行われますね。式年遷宮(しきねんせんぐう)は、20年に1度、宮処(みやどころ)を改め、古例のままに社殿や御装束神宝(おんしょうぞくしんぽう)をはじめ全てを新しくして、大御神に、新宮(にいみや)にお遷りいただく(伊勢)神宮最大のお祭りです。1300年にわたり繰り返されてきた式年遷宮は、20年に1度造り替えられる常に瑞々しいご社殿で永遠に変わらないお祭りが行われる事に大きな意味があるとされます。
ギリシャ・オリンピアの神に起源を置き、4年に1度の世界のスポーツの祭典。伊勢神宮・天照大御神を祀り、日本国の永続・安寧を願う20年に1度の式年遷宮。人々の幸福をつなぐ意味で相通じるところもあろうかと思います。
21世紀に入って、「分断社会」の懸念。米中の覇権争い。半島でのミサイル発射。ミャンマーの軍事政権への逆行。「平和」の維持、「飢餓」の根絶、持続可能な「環境保全」。この3つが実現できる世界である事を願います。
1年延期された開催は、収まらぬコロナ禍の中、賛否両論ありながら予定されています。海外からの観客は水際規制はされる中、本来計画された通りはできないものの、敢えて、多くの課題を乗り越えて、実施する事にも大きな意味があるのでしょう。東日本大震災の復興の象徴として、新型コロナウィルスへの克服の人類の勝利の証としての、東京五輪。様々な見方、考え方はあるとは思いますが、この時代を生きるひとりひとりが、できる事、関われる事を考えながら参加していく。その先に見える未来があると信じたいものです。
今月も、お元気様です。(21・3・28)