『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2021年4月号』

「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」とは。2020年の開催地が東京に決定された事を受けて、同競技大会の準備及び運営に関する事業を行う事を目的に、日本オリンピック委員会と東京都によって設立された財団とされます。名誉会長は、日本を代表する経済団体の経団連の元会長御手洗富士夫氏。初代会長は、総理大臣経験者の森喜朗氏。大会名誉総裁は、令和(徳仁)天皇。マーケティング専任代理店は、日本を代表する広告代理店の電通。まさに、国を挙げての世紀のスポーツイベント。その委員長が、失言によって辞任し、元五輪大臣の橋本聖子氏が選任されたのは、皆さんご存知の通りです。
「タラレバ」はありませんが、新型コロナウィルスによるパンデミック(世界的大流行)がなければ、大会は成功裏に終えて、役職に就いてた皆さんは、功労者として評価されていた事でしょう。電通も、コロナ関連の給付金手続きで疑念を持たれたり、都心の一等地の本社ビルを売却する事にまで追い込まれる事もなかった。
目に見えない、世界の片隅で生まれたウィルスは世界を変え、人を変えた。IT(情報技術)、社会の仕組、官僚制度、政治、教育…が周回遅れの国家となっていた事が明らかになった。
起きてしまった事は仕方がない。いかにそれを前向きに捉えて、どう良くしていくかが私たちの課題ですね。
私が学校を卒業する頃は、男女雇用機会均等法が施行されて間もない頃。バブル経済の奔り。男女の区別はあっても、差別はあまり意識した記憶はありませんが、無意識な言動をしていた事もあるでしょう。歴史的には、女性は虐げられた時代はありますね。言葉と行動が伴わないという四半世紀以上連れ添った女性からのご指摘は、覚悟の上で、女性を尊敬すべきところが多いと思っています。人生の過程では、女性は結婚すると、妻となり、嫁となり、母となる。更に、いつかは姑となる。呼び名がいくつもあるように、時を経る事で、仕事も変わり、どれをとっても大切な仕事。命を賭けて、産みの苦しみを超えて、この世に命を送り出す。今は、医学の発展、環境も良くなりましたが、昔は、産後の肥立ちが悪く命を落とす事も少なくなかった。人間は、生まれてそのまま放っておいては、生きていけない。自分の事はさておいて、無償の愛情を注ぎこみ、こどもを育て、世の中に送り出す女性が必要。万が一、生まれ変わったとしても、私には、到底出来る自信がありません。
アベノミクスの頃は、デフレ脱却、人口減少の中、職場での女性の活躍が奨励され、働く女性が増えました。けれど、コロナにより、離職を迫られた非正規労働者の多くは、女性とも言われます。ただでさえ、人生の中で、仕事が多い中、企業の経済活動にも駆り出され、翻弄された。辞職した元総理を批判する事より、男性のひとりとして、反省することも多いと思っています。今月も、お元気様です。(21・2・24)