『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2019年3月号』

今日、明日。回転すしチェーンのスシローは、全国約500店で連休だそうです。いつの間にか、当たり前のように思う年中無休や24時間営業の世の中。経営の立場では、勇気のある判断、消費者の立場として、「あっていいかな」と、率直に思います。折角の休みに「今日はスシロー!!」と出かけた方は、残念な気持ちなったかと思いますが…。それも受け入れる社会であって欲しいとも思うようになりました。コンビニ最大手の「セブンイレブン」。24時間365日営業が当たり前のコンビニですが、元々、名前の由来は、朝の7時から夜の11時まで営業しているからだったと記憶しています。深夜や休日にも働いて下さる方がいるから便利さを享受できます。感謝ですね。
 昭和60年12月に制定された祝日法。エコノミックアニマル、ワーカホリック(仕事中毒)と揶揄された昭和の日本人。祝日を連休にして余暇の時間をつくろうとしたのが理由のひとつだったかと。それから30年。週休二日も当たり前になり、今年の5月は10連休と聞けば、隔世の感もあります。
 成人の日も、従来は「1月15日」の固定だったのが、第二月曜日ということで、毎年日にちが変わります。昨年、民法改正が国会で成立。2022年には、成人年齢が18歳に引き下げられる事が決まっています。18歳のこの時期は、進学を目指している高校生は受験シーズン。今年のセンター試験は、第三土曜・日曜に行われました。高校三年生の約半分が受験。皆でお祝いとはいかないですね。
 成人年齢の引き下げは、憲法改正の為の国民投票に18歳以上に投票権が認められた(平成19年)のがきっかけ。少子高齢化対策のひとつとも言われています。18歳、19歳という若い世代の社会参加を早め、社会を活性化させようという政府の意図。飲酒・喫煙は変わらず20歳から。言っていることに理はあってもどこか腑に落ちない…かな。
 高齢者を狙った振り込み詐欺も後を絶たない。ネットを使った悪徳商法は水面下で益々巧妙化、複雑化しています。成人化した未熟な若者が、様々な契約の当事者となり、狙われる対象になりかねません。危機管理意識や社会的責任、社会の仕組みやルール等、自分の身を守る教育を家庭や学校で益々必要になるかと思われます。早く大人の社会に入ることは悪い事ではないとしても、長寿社会にあって、2年繰り上げる事にどれだけの意味があるのかと思います。「後の事は後の人が考える…」といった大人にならぬよう、自分を戒めます。
今月も、お元気様です。(19・2・5)
 株式会社エマ商会  依馬 邦夫