『穴熊社長の、蛙鳴蝉噪(あめいせんそう) 1月号』

「町が静か…」と言う嘆きの声を耳にします。中心市街地と言われる場所も、かつての賑わいもなく、
歩く人も疎らで、こども達の元気に遊ぶ声も聞こえない。19号線の大型車の往来の喧噪すら慣れてしまった。
 人口減少時代に入った日本の奥深い山間地である木曽の過疎化にあっては致し方ない事なのか。
人が減ってしまったから、止むなくお店を閉めるのか、お店がなくなるから、更に人が減るのか。
事業に携わる以上は、後者であると考えて、前向きに努力し続ける道を選択していこうと考えます。
 人が暮らしていく為には、生活していく為の商品・サービスを提供するお店が必要であり、生活の糧
をつくっていくには、働く場所がなければならない。だとすれば、ひとつひとつの事業所が、成長して
いくことが、地域の活性化、地域づくりの一翼を担うことにつながる。それが、「産業報国」という
事ではないだろうか。地元の、ひとつひとつのお店が、そう信じて頑張る事が、ひいては地域の発展につながる。
そう信じたいと思います。
 非連続的な変化の連続の時代。多様な価値観に、いかに適応していくか。弊社で取扱う商品・
サービスは暮らしに必要とされるものばかりではあるけれど、数ある会社の中から選んでいただか
なければ、いずれ電話帳から消えてしまう。社長の自慢の現場の社員さんも本当に大変ではあるけれど、
お客様に喜んで、ご満足いただく為に、大切な家族を守るために、自らの仕事に使命感と誇りをもって
努力し続ける。社長の器以上には、会社は良くならないし、社員さんの成長なしには、会社の成長もあり得ない。
この地域に必要とされる会社であり続け、少しでも多くの社員さんを雇用し、正しく税金を納める為の、
日々の営みが必ずや地域の元気につながる。こうした民間企業の弛まない努力と、国や地域の希望を
創るビジョンを政治家が熱く語り、そうなる環境を行政が整え、子供たちへの健全な教育をする親と教育指導者
がひとつになれば、平成24年は素晴らしい年になると思います。「内平らかに外成る」。
今年も、お元気様です。(11・12・6)
                    株式会社 エマ商会  依 馬  邦 夫