『穴熊社長の、蛙鳴蝉噪(あめいせんそう) 11月号』

ギリシャの寓話から。昔、ギリシャで敵から国を守るために城壁を造っている3人の
職人がいた。その3人に、「あなたはどんな仕事しているのですか?」と尋ねた。すると、
Aは,「私は煉瓦を積んでいます」、Bは「私は煉瓦を積んで壁を造っています」、Cは
「私は敵から国を守る為に城壁を造っています」と、三者三様に答えた。
このうち危機に対応し、変化に適応できるのは、仕事の目的と意義を理解しているCのみ。
 例えば、明日にも敵が来襲しそうだと判明した時、徹夜で城壁を造り続けるのは、Cのみ。
この仕事は、明日までにやらねばならないことを解っているから。しかし、AとBは、定時
になったら帰る。逆に、攻めてくる敵が第三者に滅ぼされたとする。Cは城壁を造る理由が
無くなった事を悟り、すぐに作業を止める。一方、AとBは、それを知った翌日も同じ作業を
続ける。もう何年も指示をされるまま、煉瓦を積んで給与をもらっているから…。
 リーマンショックを凌ぐとされるギリシャ発の金融危機のニュースに、以前聞いた寓話
を思い出しました。ギリシャの国民は、Cさんのような人がたくさんいたら
こうはならなかった。これからは、Cさんになっていかなければ世界の人にも迷惑がかかる。
 これは決して他人事ではなく、わが社や日本にあっても同様。Cさんのように仕事の目的と意義を
理解して仕事をしていかなければ、お客様からの支持も戴くことはできず、会社も立ち行かなく
なると思っています。1度しかない人生。その中で、誰もが、多くの時間を仕事に費やす。より良い
人生を送る上でも、きちんと仕事の目的や意義を深め、使命感を持って臨む。
自ら脚下照顧し、自分自身がCさんとなり、またCさんを増やしていく努力をしていこうと思います。
今月も、お元気様です。