『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう) 2014年3月号』

 ソチオリンピックが始まりました(小誌が届く頃には閉幕してますね)。一握りの人しか出場できないスポーツの祭典ですが、何度も出場しメダルを狙っての選手も多く、メダルの獲得予想数も大きく期待されていますが…さて、結果は?
4年に1度ですが、「もうオリンピック?」と開催の間隔が短く感じるのは私の歳のせいでしょうか?百年前と今とで、1日に地球が回る回数や速度は変わらないはずですが。
 世の中の変化の速度が速く、時間の流れを速く感じさせるのかとも思います。オリンピックに関するテレビの伝え方もあるかも。2020年東京オリンピックに向けた、日本の景気回復が期待されるように、経済効果は大きく、商業優先主義的な要素はありますね。商業は、決して悪い事ではなく、必要な事で、役に立つ事でもありますが、それが最優先されるようなスポーツの祭典となると若干違和感を覚えざるを得ません。純粋にその競技の世界最高峰を目指して、努力し続けたアスリートを見ていると、「もうそっとしといてあげようよ」と思うのは、私だけではありませんね。
 特に、最近の選手達は、インタビュアーの無神経な、また意地悪な質問までにも嫌な顔をひとつせずに、淡々と受応え、周りへの感謝の言葉や配慮まで。そんな姿を見ると、一つの事に打ち込んだ「本物の人」の精神性の高さを感じます。しかも、「10~20代の若い人」たちですよ!!
 開幕と時を同じくして、東京都知事選もありました。東京オリンピック開催決定の立役者の一人だったはずの前知事の替わりを選ぶ選挙でした。それこそ「お金と利権」という政治家に付き纏う理由が辞職のきっかけでした。同郷の長野県出身の方でもあり、「世界の東京の顔」として期待したところもあり残念でした。「私欲による心のスキ」、「称賛された渦中での驕る気持ちが人のヤッカミを買う」…そんな側面も。
今冬一番の大雪の日本に映し出されるオリンピックの光と影のコントラスト。純真で、真っ直ぐな、気高いオリンピック出場選手を日本の誇りに思い、全力を尽くし晴れやかな気持ちで無事帰国することを願いたいと思います。そしてその姿に学び、平凡でも、誠実で勤勉な毎日を過ごしたいものです。「ソチもなかなかのオリンピックじゃのう」(お代官様風に読んでね)。今月も、お元気様です!!
(14・2・9)
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