『穴熊社長の、蛙鳴蝉噪(あめいせんそう) 2014年1月号』

 1月号となりました。旧年中は、大変お世話になりました。ありがとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
さて、暮れに、「和食」が世界無形文化遺産に認められたというニュースが入ってきました。食関連では、世界で5件目の登録との事。時節柄、丁度お節料理の季節。各家庭ではそれぞれの味を楽しまれたことでしょう。
 お正月との密接な文化的関係性も登録の理由とか。もちろん、四季があり、山の幸や海の幸。素材を大切にし、自然の美しさとの調和の点からも認められたようです。 反面、有識者や政府も、洋食中心の若者の趣向や和食の伝承の危機感も懸念されています。20代女性に向けたある調査から。煮物をするときの「落とし蓋(おとしぶた)」というのは、肉屋さんに売っている豚肉の種類。麺類を茹でる時に、途中で差す「びっくり水」は、スーパーにペットボトルに入って売っている。時間をかけて豆を煮たことがないので「トロ火」と言われても何のことか分からない。笑い話のようですが…。もちろん時代は繰り返すで、自分も若いころには、また先輩も若いころには、少なからず笑い話の主人公になった経験はあると思いますが。
 また、介護食として味や形はステーキでも、特殊な製造法で口の中でとろけて噛まなくても肉の味や食感が得られる食品が開発され、話題となったり…「必要は発明の母」であり、「へー、なるほど。すごいね。」と思いつつ、微妙な違和感もぬぐえない。
 「和食」の文化を継承していくことは、祖先から授かった命を、今を生きる私たちが次世代につなげていくことでもあります。日本の農業の危機を懸念するTPP問題も、和食文化を大切にしていけば、むしろ日本の農業の未来を世界に発信できるのではと前向きな考えもあるかと。「不易流行」変えてはならない本質と時代と共に変化・進化させていくことを見分ける力。小欄でこだわったテーマですが、今年も大切にしていきたい考え方です。「食」、「環境問題」、「秘密保護法成立」…後から来る人のためにちゃんとしとかなきゃ…。
今年も、お元気様です!!
(13・12・9)
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