【穴熊社長の、蛙鳴蝉噪(あめいせんそう) 2016年8月号】

 今日は、参議院選挙の投票日。小紙が、皆様の御手許に届く頃は、結果も明らかになっていることでしょう。今回の、争点は、識者に譲るとして、18歳から選挙権行使が認めらた事は画期的な事ですね。

 今回の改正の理由は3つと言われています。1、憲法改正を意識し、国民投票がされた場合に、18歳以上が対象となるため、それに選挙権も呼応した。2、国際的にみた場合、18歳以上が選挙権を持つ国が多く、それに倣った。3、将来を担う若者の意見を、政治に反映したいということのようです。

 つい最近では、EU離脱を巡って、議会制民主主義の元祖の英国で国民投票がなされ、その後の動向は、皆様ご案内の通りです。今秋行われる米国の大統領選挙。候補者選びは、決まったものの、その後、ヒラリー氏のスキャンダルで、ちょっと様子も怪しげに。そうそう、都知事もありますね。変化の激しい時代。月・週単位で、世の中の動きが変わってしまうように感じます。

 選挙は、多数決で決まります。多数決で決めることが、本当に正しいか?は分かりません。ルールとしては、いちばん分かりやすい決め方ではありますが、みんなにとって、一番良い選択の結果となるかは、誰も保証できません。

 日本に選挙制度が初めて導入されたのは、1890年(明治23年)。有権者は、「15円以上税金を納めた25歳以上の男子」だったそうな。年齢以外に、貧富、性別といった制約があったと思う反面、選挙権という権利行使と納税義務という「権利と義務がセット」になっていた点は、ナルホドとも。平成の世にあっては、18歳の多くは高校生。所得はなくとも、消費税を負担する場面はあるかな。

 今ある現実は、過去の累積。積み重ね。ここから先は、昨日の延長と考えるか。それとも、これからする事は、目指す未来から決めて行動するのか。それによって、選択やこれからの行動は大きく変わってくるかと思います。自分1人が投票しても変わらない。誰がやっても変わらない。別に、自分とは関係ない。・・・そういって投票に行かない人。行っても、どこかであきらめている人。選挙に熱くなる人。・・・様々ですが、結果はどうあれ、「未来を自分で考え」、「自分の意思で決めて」、「行動する」。そして、その結果が、仮に自分の思いに反したとしても、しっかりと受け止め、日々の其々の自らの役割を果たしていく。あーだ、こーだと世間や他人に漠然と言葉を発するだけでなく、「考え、決めて、行動する」というところに、大きな価値があるように思います。未来を担う若者が、「考え、決めて、行動」するからこそ、その選択に意味がある。私達オトナもそうしてきたように。・・・はず。

 今月も、お元気様です。(16・7・10)

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