『穴熊社長の、蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2016年5月号』

 久しぶりに母校・小学校(御嶽海出身校・笑)の校歌を歌いました。昨日の自分の記憶も怪しく思ったりするこの頃ですが、誰もが何年経ってもソラで歌える不思議さを感じますね。来賓としての代理出席でありましたが、末子が卒業生でもあり、感慨深く合唱しました。

 校歌斉唱の折に、歌詞の中味を意識して歌うことは少ないかと思います(そう思う私は、フツーで良いですか)。息子が卒業生であり、自分のその頃と重ねる。親となり、生き来し今の自分。希望に満ちたわが子と学友の姿が交錯してか、校歌の歌詞の一言一言が、心に深く染入りました。校歌のテーマ。1番は「学びの道に勤しもう」(道は続くもの、一生勉強)、2番は「強い体を育てよう」(健康第一)、3番は「努め働く人なろう」(人や社会に役立つこと。働かざるもの食うべからず!?)。これらは生きていく上で、基本であり、一生大切にしていくものですね。

 式典は、厳かに粛々と。一体感をもちながら進みます。こどもの数が減って寂しさが先行するかと思えば、確かに数は少ないものの、そんな状況でも、こんな立派に卒業式ができることに、甚だ感銘を受けます。

 卒業式なので、主役は卒業生です。そして、親として、こども達が無事卒業できるのも、本人の努力は元より、先生方、保護者各位、地域の方々、関係各位の支援があったからからと感謝する場でもあります。また、親子代々地域の小学校の卒業生となることは、やはり地域の礎です。卒業生は、夢や希望を胸に、未来に向けた自分の原点・志を刻む。大人たちもそうした卒業生の門出を祝すに重ね、自らの原点・志を思い出し、人生を見つめ直す機会を与え、教えてくれるようにも思います。

 卒業式の次は、入学式。身近に新入生や新入社員さんがいらっしゃる方は勿論、自分の子女・孫でなくても、この季節は、卒業生・新入生を通して、節目を祝うと共に、自らの原点・初心を振り返る機会であるともいえるのではないでしょうか。入社式は、ベテラン社員の為にあるとすら言う人もあります。

 卒業式・入学式に出席することもなく、ピカピカの1年生を目にすることも少ない環境の方もありましょうが、この時期、買物をするお店などでは新人さんを見かけることもありますね。新人研修中のレジに並んでしまい、「あー、失敗した」なんて、ついイライラしたりするところもありますが、「みんな一度は通る道だよな」と思い返す。原点・初心を思い出すきっかけにしてみる。自分のこども、地域のこども達だけでなく、若い人たちを社会で育てるという地域文化、日本文化。これを創るのは、人生の先輩たる私たち大人。そんな意識を高めていくのが、卒・入学の季節であると思うこの頃です。こども達、若い人に期待するなら、まず、オ・ト・ナがお手本を!!

今月も、お元気様です。(16・4・11)

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