『穴熊社長の、蛙鳴蝉噪(あめいせんそう) 2016年3月号』

 弊社のテレビコマーシャル(CM)が放映されることになりました。この2月下旬に、1週間程度、長野県の民放3社で流されます。小紙の記事を目にする頃には放映が終了しているかもしれませんが。地域密着で仕事をさせていただいている木曽の零細企業が、「何故、CM?」というのが率直な疑問ですね。経緯はこうです。弊社は、日本一の家電販売会社のヤマダ電機傘下のグループ会社と加盟店契約をしています。その商流を利用して、お客様に家電製品を提供させていただいています。この仕組みが始まり10周年。加盟店は全国に1万社を超えました。その周年事業のひとつに加盟店のCM製作があります。全国で17社が選出され、その内の1社に、(株)エマ商会が選ばれ、CMを製作してもらえることになったのです。

 費用的の点からも、とても弊社の規模でCMを製作し、放映するなど、無理な話ではありますが、ヤマダ電機のグループ会社が全面的にスポンサーとなって下さいました。大変有難く、感謝するところです。出来映えは、お客様の感じるところが全てではありますが、ご期待に沿えるように、変わらずに鋭意努力して参る所存です。

 人口減少時代にあって、日本の消費市場は縮小化していきます。こうした中で、大型店舗を軸にしたヤマダ電機も、従来通りの経営スタイルでは存続していく上で危機感も持っていると思われます。「地元のお店」からすると、大型店は大きな資本を持ち、脅威となる存在です。実際に、地元のお店ではなく、比較的人口の密集する近隣の中核都市・中規模地域への大型店へと消費者は流れ、地元のお店は存亡の危機にさらされています。それに対して、大きな相手と競争するのではく、むしろ協力関係を構築することで、品揃えや低価格に加え、地域密着ならではの「顔の見えるサービス」という販売形態をこの木曽地域のお客様に提供したい。大手資本と地元零細資本が協力関係を築き、地域に商品・サービスを提供していきたい。そんな弊社の考え方とヤマダ電機の考え方が一致したモデルということが認められ、今回のコマーシャルにつながったのだと思っています。

 昭和26年に「米屋さん」として、先代が創業してから今年で65年が経ちます。固形燃料から化石燃料を取扱い、燃料会社として地域のご支援を戴きました。更に、上下水道工事、住まいのリフォーム、家電販売と事業を展開してきました。そしてこの度、地域の空き家対策、人口減少対策に微力ながらお役に立ちたいと不動産事業を加える事になりました。経験のない事業領域でありますが、地域の社会的問題の解決に取り組んでいきます。「地域の暮らしを支え」、「地域の暮らしを守り」、そして「地域の未来を創る」。そんな、「志事(しごと)」を目指していきます。変わらぬご支援、よろしくお願い申し上げます。

 今月も、お元気様です。(2016・2・9)

株 式 会 社  エ マ 商 会  依 馬  邦 夫