『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2018年12月号』

今年も、エマ商会のふれあい感謝デーに、たくさんのお客様のご来場を賜り、誠にありがとうございます。誌面ながら、厚く御礼申し上げます。最近の駅前の様子からすれば、本当に賑やかで、ご来場のお客様を始め、秋まつりの運営にあたった多くの皆様のご支援のおかげと感謝申し上げます。今から23年前、トキワの中通りのみの開催でコンパネ5枚から始まった事を思い起こせば、多くの方々のお力添えがあったからこそと感慨深く思います。
 感謝デーを終えると、今年も残り2か月。今年の締め括りと来年の準備を始める時期となります。「1年って早いね~」という言葉の飛び交う季節です。
 20代の頃は、人生は永遠にあるかのような気でいましたが、不惑の四十の声を聞けば、人生に限りがあるように思い始める…。いくら人生100年時代とはいえ、まして50歳を過ぎれば、限りある時間に何をすべきか、焦りも混じって真剣度が増してきます。勿論、責任度も高い世代で、こどもの手が離れる前の最も経済的負担も高い時期でもあります。
 歴史にも名が残るであろう世界的経営学者のP.ドラッカー教授。マネジメントの父とも言われ、2011年にはNHKでアニメ化された、『もしドラ』(もしも高校野球の女子マネージャーが、ドラッカーの「マネジメント」を読んだら)で、経営に携わる人でなくても、広く知られ、ご存じの方も多いかと思います。その教授の著書からの引用。
 『私が13歳の時、宗教の先生が「何によって憶えられたいかね」と聞いた。誰も答えられなかった。すると、「答えられると思って聞いた訳ではない。でも、50になっても答えられなければ、人生を無駄に過ごしたことになるよ」と言った。』教授は生涯自らに問い続けたのが「何によって憶えられたいか」。それは、昨日と異なる自分であり続ける為。誰にどんな存在として覚えられたいかを問うことは、未来に思いを馳せる事。未来の人々が、今の自分の貢献に感謝し、記憶に残す。そんな未来を生み出そうと考えれば、おのずと後世の為に今、自分がなすべき事を問うことになる。姿勢が変わり、行動が変わる。覚悟が決まる。
 「イノベーション」という言葉を定義した世界的経済学者のJ.シュンペーターは、晩年この問いの答えに続いて、「人を変えることができなかったら、何も変えたことにならないから」と学生の教育を重視して、結びました。
 「過去と人は変えられない」けれど、「未来と自分は変えられる」。禅問答のようですが、年の瀬に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
今月も、お元気様です。(18・11・8)
株 式 会 社 エ マ 商 会  依 馬 邦 夫