『穴熊社長の、蛙鳴蝉噪2018年3月号』

「後のことは、後の人が考えれば良い・・・」一見、もっともらしいような響きがありますが、やはり自分本位な無責任な言葉。そう思ってはみても、問題の先送りをしがちなフツーの人にとっては、ついついしてしまっている現実も少なからずありますね。

日本国の毎年増え続ける借金、見通しの立たない年金制度や医療費制度…長期展望が示されることなく目の前の事を優先して、こなす事に精一杯の世の中。先の事を心配して努力している人は、ごく一部とわが身を振り返っても、情けなく思う穴熊です。

社会的課題のひとつである空き家対策。これも少子高齢化による人口減少に起因する問題と言えます。現状、確認できる調査データは若干古く、2013年で、全国で約820万戸で空家率は、13.5%。長野県の全世帯数が現在82万世帯弱とすると、その数の大きさが分かります。

この弊害として、住環境の悪化、行政コストの上昇が指摘され、対策課題としては、人口減少対策(出産・子育て支援政策、移住政策)、中古住宅市場の流通整備、コンパクトシティの実現が求められていますが、そう簡単なことではありません。が、大変だとか、簡単じゃない!!と言って、手をこまねいていても始まりません。こんな大きな話に、田舎で個人が叫んでみても、「ムダ!!」、「ムリ!!」とは、思ってみても、後の人の事を考えて、少しでも、自分達ができることをと考え、実践することは必要だと思います。

私見と前置きして、個人で最低限しておく事と、間違った思い込みのないようにと2点記します。一つ目は、「登記」をちゃんとしておくこと。現在の、不動産の所有者と法務局に登記している名義が一致している状態にしておくことは最低限すべきことです。これをしておかないと、「後の人たち」は、本当に困って、解決できる事も、解決できなくなります。これは、くれぐれも確実にしておきましょう。

二つ目。不動産という財産は、自分たちが居なくなって使う人がいなければ、財産として自治体に寄付すれば良い…これは、都合の良い勝手な思い込みです。そんな認識でいる方は、考えを改めて下さい。道路や公園等を造ろうとしているところにある土地は、自治体がもらってくれることはありますが、それ以外は基本的にありません。現金は寄付できると思います。ゲンキンなものです…

この2点は、日本の高校でも教えてはもらえず、専門的な学校、専門的な職業に就かないと、意外と知らない事のように思います。

70年近く、地域密着でお世話になってきた弊社ですが、空き家問題に民間事業者として取り組もうと、宅地建物取引業(長野県知事免許)を取得しています。全てを解決する事は出来ないと思いますが、お役に立てる事があれば、社長まで、ご相談ください。

今月も、お元気様です。(18・2・4)

株 式 会 社 エ マ 商 会  依 馬  邦 夫