『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2022年5月号』

「今の時代に、どうして…」。ロシアのウクライナ侵攻。この21世紀にあって侵略戦争が始まりました。多くの人類が、何故…との、やり場のない気持ちに苛まれていることでしょう。日本の敗戦から、今年で77年。戦争体験のない日本人が人口の多くを占めている現代にあって、発達した映像・通信環境下では戦地の映像が時間のズレも短く、目の前に映し出されます。過去の歴史から見たり聞いたりしたことではありません。「戦争って、こういう事か、こうなるんだ…」という、今まさに起きている現実としてテレビから観る事ができる。映画やドラマではない、現実。日本も、対ロシアとは解決しない北方領土問題もあり、決して対岸の火事ではありません。

翻って、朝の連続ドラマ、「カムカムエブリバディ」。大正から令和までの四時代を、ヒロイン(主人公)の母子3世代を別々の女優が演じる100年に渡る悲喜劇が描かれています(小職、毎日、連ドラを視聴することはなく、週末のダイジェスト版を観る程度なので引用するおこがましさをお断りをした上で)。描かれた100年を、自らの祖父母、両親、自分、そして子どもたちと、それぞれの時代背景の中、命・血縁のバトンが引き継がれいく。その経過を自分たちの家族に、重なり合わせてみた時、人生の出会いと別れ、人生の機微といったものを考えるきっかけを与えてくれます。序章は、当時、青春真っ只中のはずの学生と1人目の主人公である和菓子屋の娘との恋愛・結婚。その学生は、戦争が始まり出征、戦地から帰らぬ人となりました。子どもの頃に聞いた話…既に亡くなった私の伯父は大学生の時に大陸に出征したものの、何とか生還。父は、学徒動員を経験しながら旧制高校時代に終戦を迎えた昭和の時代。令和の時代。ここ2、3年にあっては、新型ウィルスの世界的流行により、令和の学生たちも、生命の危機に晒され、自由なはずの行動も制限。戦禍とは異なりますが、コロナ禍により多大な影響を受けている。転じて、戦禍、コロナ禍から受ける影響とは明らかに異なりますが、人生における一期一会。日常にある人生の1コマ、1コマ。互いに影響し合う人間関係。たった一言が、その後の人生に影響が及ぶ事も。ちょっとしたすれ違い。ちょっとした誤解がもとで異なる道を選んだり、歩むことも、人生にはある。

今週は、「夢が叶う似顔絵」をお渡しする週。新1年生の親子の皆様がご来店くださっています。どうか、この子どもたちが、平和な時代を生き、夢が叶う事を切に願いたいと思います。
今月も、お元気様です。(22・3・24)