『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2021年11月号』

 自民党の総裁に、岸田文雄氏が選ばれました。小紙が、お手元に届く頃には、衆議院選挙もどんな様相になっている事でしょう。安倍政権から菅政権へと引き継がれ、1年。随分、以前の事のように感じるのは、私だけ?8年にわたった政策「アベノミクス」も今は昔?政策の評価や未来への改善策の検証も何処に。新型コロナウィルスによって、過去の出来事ように思えてしまうのも、私だけ…?
 アベノミクスの政策目標に、「デフレ脱却」がありました。「デフレ」とは、「物価が下がる」事。「物価を上げていきましょう」という目標。消費者からすると、「モノの値段は、安い方が良い!!」と思いますが、国の政策としては、「モノの値段を上げよう!!」という事でした。それは、何故か…。
物価が上がる事により、企業の業績が上がる⇒企業の業績が上がると、働く人の賃金が上がる。税収も増える⇒賃金が上がると、消費にお金を使う。税収が上がると、国の借金返済や公共事業を増やす事ができる。景気を刺激し、国民への行政サービスも向上する⇒国民が消費に使うお金が増えると、更に、企業の業績が上がり、更に、賃金が向上する。共に、税収も更に増える⇒経済の好循環が続く…というシナリオです。現実は、どうか…。
国税庁の調査によると昨年1年間の民間企業の平均給与は、コロナ禍という事もあり2年続けて減少。
弊社の、ガス料金。石油資源の乏しい国では、国際価格の影響を受け、変動はありますが、10年前(2011年4月)と現在の標準料金(5㎥を基準)にすると、約マイナス2.1%下落。弊社でも販売している、電気。2016年4月に電力小売りの自由化が始まり5年前と比べ、主要4電力(従来の独占企業)は平均で10%上昇(日経新聞8月30日記事)。原因は、発電燃料の依存度の高い液化天然ガス価格の高騰。
軽自動車。山間地にあっては、必需品かつ便利。この10年で平均50%の価格上昇(日経新聞9月6日)。個別にみると、価格が上昇しているものもありますが、アベノミクスの数値目標である物価上昇率の、年「2%」は、達成できなかったと思われます。
世界的気候変動への本気の対策として、2050年に脱炭素社会へ(菅政権)。二酸化炭素の排出を実質ゼロにするため、化石燃料を極力使わず、車は電気自動車か水素自動車に。人生100年時代。「30年後の、私は、何歳?」、「未来を考え、今、自分にできる事は?」。
今月も、お元気様です。(21・9・30)