『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2019年11月号』

 ラグビーのワールドカップが日本で初めて開催されています。そして、世界ランキング2位、優勝候補と呼び声高いアイルランドに勝利。世界的にも称賛の声が聞かれます。勝利を信じて努力すれば、これだけの事ができると勇気や元気をもらえますね。そんな週明け、台風の影響で、福岡で開催予定の試合中止を懸念するニュースも入ってきます。
今年も、自然災害による暮らしへの大きな打撃がありました。九州では、大雨による浸水災害、油の流出。千葉では、長期にわたる大規模停電。直接的な被害もさながら、副次的な災害の影響も大きく、新たに災害対策としての課題も浮き彫りになりました。災害に強いLPガスとはいうものの、電気が必要なガス機器も少なくありません。今回の、千葉での台風災害、昨年の北海道での地震による大規模停電の中、LPガスについては、ほとんど被害はなく、ほぼ無傷の報告が業界では報じられています。しかしながら、暮らす人にとっては、電力がストップすることで、LPガス単独で使える器具はあっても、電気が必要なガス器具は使えず、不自由な生活を強いられたようです。厨房におけるガスコンロの多くは、単独で使用ができ、調理や湯沸かしの点では有効なところがあります。東日本大震災の折にも、それに準じた有効性が評価されました。
国土強靭化計画にあっても、LPガスは災害発生時には、「最後の砦」となるエネルギーにも認められ、長野県のしあわせ信州創造プランの防災計画の中にも、LPガスは大規模災害発生時に、非常用電源の為のエネルギーとしても位置付けられました。非常用の発電機のエネルギーは、灯油といった石油製品が主力ですが、長期に貯蔵すると、劣化し、いざと言う時に、使用できない場合があります。LPガスは、容器に保存され、劣化することはありません。このため、LPガスの発電機とともに、災害用に設置する動きが高まっています。
特に、災害発生時には、救命救助のために72時間(3日間)持ちこたえる事が求められます。避難所の多くは、公的機関や学校の体育館、公民館といった広い施設が指定されます。そうした施設に、LPガス発電機とLPガスを貯蔵することが推奨されています。気象変動による夏場の酷暑対策として、ガスエンジンを利用した冷房は、体育館のような広い施設には、電気のエアコンに比べ、ランニングコストも安価となり、日常から常用することも併せて有効なシステムとされています。
いずれにせよ、電気、ガス、自然エネルギー、循環型エネルギーなど、各エネルギーの個性を生かした組み合わせにより、国民の安心・安全な生活が確保されると言えます。エネルギーもラグビーチームも互いの個性を大切に一丸となる事が大切ですね。
今月も、お元気様です。(19・9・29)