『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2019年9月号』

 令和初めての国政選挙。第25回参議院議員選挙が実施されました(7月21日投票日)。新しい時代の幕開けの国政選挙となりましたが、総務省発表の速報の投票率は48.8%。前回2016年と比較して、6ポイント減少し、過去2番目に低い。18歳選挙権が導入された2017年衆議院選挙の18歳の投票率は、46.78%。今回は、31.33%(今回は、18歳と19歳の投票率)と、マイナス15.45ポイント。20代はマイナス9.16ポイント。全体も減りながら、特に、若年層のと投票率低下が著しい。投票率の高い世代は60代が70%~、50代及び70代以上が、60%~ということです(ご興味のある方は、詳細は、総務省のホームページ等をご覧ください)。あるNPO法人が地方の国立大学で実施したアンケートによれば、学生の70%は、「投票日を知らない」という答えが返ってきたそうです。20歳前後の投票率と符合する数字ですね。
 投票日前に、テレビで、東京の某サービス業で、投票日となる日曜日の営業日を社員さんに投票を促すべく休日にするニュースが流れました。「へ~」と思いつつ、休日の売上減少を心配。でも、コマーシャル効果のが大きいかな…。下衆の勘繰り。その後、某会社の投票率は上がったんでしょうか…。
 自分自身は、20歳の選挙権を得て以来、棄権した記憶はありません。理由を問われれば、「20歳の時に必ず行くと決めたから」…くらいでしょうか。住民票は地元に置いてあっても地元にいない大学生の娘二人には、今いるところで投票できるように手続きをとりました。これも親の勤めかと(手続きしたのは母親ですが)。長女曰く、「私は投票に行く。憲法が改正になって、弟が戦争に行くのは耐えられない」。「君死にたまふことなかれ」(1904年9月・明星初出・日露戦争開戦)。令和の時代にも与謝野晶子は生きてます。
 朝日新聞の分析によると、今回の参議院議員選挙は、前回の衆議院議員選挙と比べると、選挙関連のニュースや報道量は、「約3~4割」減っているということです。「盛り上がりに欠けた」という指摘もありますが、そんな影響もあるのかも知れません。
 令和初めての国政選挙「後」の、メディアの報道は、ご案内の通り、「お笑い芸能プロダクション」が中心。色々、ご意見もおありでしょうが、国民の皆様は、どんな所感をお持ちでしょうか?
 若年層の投票率が低いのは、母国に夢や希望が見られない。そんな大人の背中しか見せられない。まだ始まったばかりの、新しい時代「令和」。今一度、ひとりひとりが、来年の東京五輪に希望を胸を膨らませ、発奮すべきですね。
 前回の、東京五輪(昭和39年)直前のアメリカ大統領、ジョン・F・ケネディの有名な演説の一説。「国が諸君のために何が出来るかを問うのではなく、諸君が国のために、何が出来るかを問うてほしい。」
今月も、お元気様です。(19・7・30)