『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2024年6月号』

「信号機のない横断歩道は歩行者優先。横断歩行者妨害は交通違反」。…知ってますよと思いつつ、100%できているかと問われれば歯切れが悪い返事。JAF(一般社団法人日本自動車連盟。交通安全活動や故障車・事故車両の救援サービス等を提供する団体)の調査によれば、「信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているのに一時停止しない車が多い」と思うと答えた方は、86.2%という全国調査。運転者は車から降りて歩けば一瞬にして歩行者に。必ずしも同じではないとしても、知っている、分かっていてもを実践しないのが、人の常?
全国94か所の「信号機のない横断歩道」でのJAFによる調査。全国平均では、45.1%の車両が一時停止をした。半分以上の車両はしていないという事なので、冒頭のアンケート調査結果とは符合していると解釈。ところがどっこい、わが長野県。県別では全国トップの、「84.4%」の車両が一時停止をしているという結果です。長野県民としては誇れる結果ですね。みんなで100%を達成しましょう(笑)
明確な根拠はありませんが、横断歩道で車両を一時停止すると、渡りきった後、ペコリとお辞儀をするランドセルを背負った小学生。何となく長野県に、あるあるの伝統的文化が根付いているように、「感覚的」に思います。東海圏某地域から移住してきた弊社の社員さん。通勤途中に事故による片側交互通行に遭遇した折、1台ずつ交互に譲り合って合流する体験をして、従来住んでいた地域ではあり得ない奇跡的なこと!!と、称賛の言葉を頂戴しました。意地でも絶対入れない!と感じた他県での経験もありますが、交互に譲り合って進んだ方が、結果、お互いの為になるように思います…これも明確な根拠はありませんが、同意してくださる方が多いと信じる長野県民のワタシです。
「ゴミ袋に名前を書いて出す」。出したゴミに責任を持つという意味でも、多くの長野県民は当たり前と思っている方が多いと思います(個人の所感)。長野県への移住者が「プライバシーの侵害」として、NHKのニュースに取り上げられ、報道自体も移住者に同調したメッセージが発せられました。まあ、確かに理解できない訳ではないけれど、お互いに気持ちよく暮らす為、互いに信頼しあえる地域づくり。横断歩道の一時停止にみられる地域文化は大切にしたいと思うのは、おめでたい長野県人でしょうか。
某病院の医師に聞いた話。信号機のある横断歩道で、事故に遭って病院に搬送される患者は、「赤信号」を渡っている歩行者より「青信号」を渡っている歩行者の方が多いそうです。理由としては、赤信号を渡る時は注意深くなるけれど、青信号の時は安心して渡るから…笑い話にしてはなりません。ひとりひとりの心がけ。
今月も、お元気様です。(24・4・25)