『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2022年7月号』

 総務省から、本年4月15日に「人口推計(令和3年10月1日現在)」が発表されています。総人口は、前年比64万4000人減の1億2550万4000人。11年連続減少となり、減少幅は過去最大。人口が増加した県は、沖縄県のみで、東京都は26年ぶりに人口減に転じた。

 自然増減(出生時数―死亡者数)をみると、出生時数は第2次ベビーブーム期(昭和46年~49年)以降減少傾向が続き、令和3年は前年比4万人減の83万1000人。一方、死亡者数は6万8000人増の144万人。この結果、出生児数が死亡者数を60万9000人下回り、15年連続の自然減少となり、減少幅は拡大している。65歳以上の人口の占める割合は、43.8%で、過去最大。出所は異なりますが、平成30年の日本人の平均寿命は、男性81.25歳、女性87.32歳。女性の死因別死亡確率、悪性新生物(がん)20.01%、心疾患17.15%、脳血管疾患8.36%、肺炎6.88%となっています。

 ロシアの人口。ロシア連邦統計局によると、ウクライナ侵攻前の本年1月28日発表の人口は、令和3年に前年比約100万人の減少し、約1億4517万7100人(クリミア半島併合の人口含む)。新型コロナウィルスによる死亡者は、約66万人という記事があります。令和元年のロシアの男性の平均寿命は67.75歳、女性77.82歳。広い国土を持つ共和国ですが、人口を比較すれば、世界で9番目、日本が11番目。思った程、日本との人口差は少なく感じます。ソビエト連邦崩壊後、人口減少は進み、特にその頃生まれた世代が少ない上に、出産世代と重なり出生率の減少に影響を与えているとの指摘も。今回の軍事侵攻にも見られるように、近隣諸国への侵攻は歴史的にも繰り返され、兵士の中心は、若い世代の男性。その事が、男性の平均寿命を下げているという見方も。ロシアからの国の未来を担う人財の流出も伝えられる中、どうして戦争を止めないのか。その理由はプーチン大統領にしか分かりません。

 歴史に名を刻む、経営学者の、ピーター・ドラッカー(1909年~2005年)。ユダヤ系ドイツ人として出生。後に、米国籍を取得。同国の大学院教授を務め、同国政府から大統領自由勲章も授与された人物。その思想には、「人の徳性が社会の基盤になった時に、優れた社会が永続する」とあります。企業倫理の考察を深める過程で儒家の倫理を大いに評価しました。中国を起源に2千年以上も続く孔子の教えの儒教を企業活動の基盤とすることを支持しています。日本の資本主義の父とされ新1万円札の顔となる渋沢栄一も「論語」を理念の根本に置いていました。

 古来から続く人としての正しさを連綿とつなぐ思想が、人類の平和と繁栄をつくる事に必要だと改めて思うところです。

今月も、お元気様です。(22・5・29)