『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2021年3月号』

「夏は暑くて、冬はどうして寒いの?」と聞かれて、「えっ!?チコちゃんに叱られる!!」とどれだけの方が思われるでしょう。答え方は色々あるかと思います。地球は太陽の周りを1年かけて公転して、太陽との位置(距離・角度、それによって日照時間)が変わると共に、季節が変わるといえば、「そうだよね」と、とりあえず、納得する自分がいます。節分は、2月3日が当たり前との思いきや、今年は2月2日。冬は寒いのが当たり前と思いきや寒の入りの最中に雨。3月並みの陽気。私の、当たり前は意外とアテにならない。
元来、節分の意味は、季節の分かれ目。24節気の立春・立夏・立秋・立冬の前日を意味し、今は、立春の前日を指すのが一般的。旧暦のお正月(新年)は、立春。つまり、現在の節分は、大晦日の位置づけ。1年の終わりに、邪気を払い、清め、新年を迎える。古来、病気や災害は鬼(魔物)の仕業(しわざ)と考えられた。この鬼(魔=ま)の目(め)に対して、魔(ま)が滅(め)っするように(魔滅)、節分に豆まきをするのが風習になったと言われます(諸説あり)。節分には、豆まきするのが当たり前。季節を感じながら、家内安全を祈願しながら豆をまくイベントを楽しむ位にしか考えてませんでした。
1年は、365日が当たり前。地球が、太陽の周りを1周する(公転)が基準。けれど、厳密には約365.2422日。1年当たり、0.2422日の時間のズレが積もって日付が変わる。これが、今年の節分が2月2日になった理由。直近、2月3日が節分でなかったのは、1984年2月4日(37年ぶり)、1897年2月2日(124年ぶり)だそうです。春分の日や秋分の日はが変わるのは、祭日なので分かったつもりでいたり、うるう年もあれば、そうだよねと当たり前に思ってきた自分。
「今年の春分はいつ?」を教えてくれるのは誰?国立天文台に暦計算室が設置されていて、そこから発表されるとの事です。なるほど、地球と太陽、宇宙については、天文台なんだなあと、単純に合点。小惑星から「はやぶさ2」が帰還し、持ち帰った採取物の解析も楽しみであり、長い時間をかけて発展してきた科学。それと共に、節分のように、宇宙の原理が文化・風習に根付いている事を感慨深く感じたのは、加齢のせいか、コロナ禍の影響でしょうか。
なかなか終息への明るい兆しが見えてきませんが、「疫病退散」を祈願しながら、旧き古人や宇宙の営みに思いを馳せながら、伝統文化を楽しむ日常も忘れないようにしたいものです。
今月も、お元気様です。(21・1・28)