『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2020年8月号』

 この夏は、本来ならば、2度目の東京五輪。熱く盛り上がっているはずでした。日本の世の中も高揚感を感じていたことでしょう。木曽にも、多くのインバウンドを(外国人観光客)あちらこちらで、目にしていた事でしょう。タラレバは、あまり言いたくありませんが…。地元や長野県の括りでみれば、コロナも一時より落ち着いた状況にあるかと思いますが、東京の様子から、いつ地方に飛び火し、第2波がくるのかの懸念は拭えません。過度な自粛や委縮もどうかと思いつつ、感染防止と新たな日常とのバランスを試行錯誤で進める途上と言ったところでしょうか。
 コロナ、コロナと目線はそちらに向きがちですが、世界的にも、よくもまあ歴史に残るような出来事が次々と起こるものだと思います。米国にあっては、感染拡大の勢いは止まる気配もありません。21世紀になっても人種差別は格差社会の拡大と共に解決の糸口も見出せません。秋の大統領選を控えた現職の立ち居振る舞いは、世界のリーダーでもあり同盟国との位置付けのある日本からしても理解に苦しみます。覇権争いのライバルの中国でも、香港の1国2制度が続いた中、民主化に対する統制の軋轢が強くなってきています。朝鮮半島もどうなっているんでしょう。国内にあっても、1強とされた政権も、民意とかけ離れた不祥事が連発。コロナ禍にありながら、混迷し始めた印象です。税金を原資にした、国政選挙の買収事件。お金を配って当選(職)を手に入れる。小紙がお手元に届く頃には、結果の出ている都知事選。某候補者の演説に、「当選したら都民に、給付金を配布する」との公約を連呼。「ん。ちょっと待って。買収と公約は異なるはずだけど、選挙に勝つために、税金を有権者に配るのは、同じじゃないの?」と、性格の悪い私は、思わず失笑。変なおじさんですみません。夏のボーナスシーズン。減額したとはいえ、総理のボーナスは、国民の平均年収並みの金額と聞けば絶句。零細企業では社員さんに賞与は支給していますがトップには支給されないのがフツーです。国民は、世の為、人の為に使われるものだと思って、黙って納税しています。予算の立案・審議・執行している人たちは、人のお金と自分のお金との区別してるかな。
 お金の基本。人や社会に必要とされる仕事をする。役に立つ仕事をする。人の喜びを創る仕事をする。その結果、やりがいや貢献、達成感、精神的な幸せを創り、幸せを得ると共に、経済的報酬として金銭を頂戴する。それがセオリー。そうやって、みんなで支え合い、信頼し合える社会でありたいと思います。
 今月も、暑さに負けずに、お元気様です。(20・7・1)