2020年成人を迎える若者へのアンケート結果に、7割の人が、「日本の未来は明るい」と答えたそうです(大手調査会社実施)。様々な社会的課題のある中、多くの若者のこうした意識は喜ばしいことだと感じます。調査は、2008年から実施されていて、2015年に下降、それ以降横ばいだったのが今回は、前年から落ち込みを見せた。同社の分析だと消費税率引き上げの翌年と符合するそうな。明るいと思う理由として、「オリンピック」、「景気回復」、「平和」、「働き方改革」、「多様性の受容」…。暗いと思う理由には、「少子高齢化」、「年金問題」、「政治家の不祥事」、「外交問題」、「五輪後の景気後退」…。今国会では、「全世代型社会保障制度」が議論されますが、新成人の64%は、「国民年金制度は信用できない」と答えています。
厚労省公表「100人で見た日本」から、H22年に100人中21.1人だった年金受給者は、H30年には25.9人に増加。一方、国民年金・厚生年金加入者は、H22年に100人中45.6人から、H30年には44.5人に減少しています。年金を受ける人が4.8人増えて、保険料を払う人は1.1人少なくなっています。新成人は、このデータを知ってか、知らずか、如何に。
昨秋に実施された日経新聞実施の郵送調査の結果(全世代)。どれ位幸せかを10段階評価で答える問いに、7以上と答えたのは49%。4以下と答えたのは13%。押し並べて、結構、幸せと国民は感じてますね。日本の組織・団体で信用できるのは、問いに、信頼できる1位自衛隊(60%)、2位裁判所(51%)3位警察(47%)。信頼できないのは、1位政治家とマスコミ(同率46%)3位教師(27%)。災害時や海外支援に決死の覚悟で活躍する自衛隊の信頼は厚い。反面、政治家、マスコミ、教師が信頼されない。世の中歪んでますね。信頼される2位、3位とは言うものの、半分の人しか信用していない裁判所もどうなんでしょう。
政治が重視すべき世代はの問いに、「現役が49%」、「高齢者20%」。70歳を超えても働くと答えた人は、50%を超す。望ましい夫婦の形は?の問いに、1位「主に夫の収入で生計を立て、妻は補助的に仕事をする(53%」、2位「夫婦ともにフルタイムで働く(19%)」、3位「夫が仕事で生活費を得て、妻は家事や育児に専念する(13%)」。
みんなそこそこ幸せに暮らしていて、若者も未来に希望を持ち、高齢化とはいうものの、夫婦力を合わせて、元気に長く働いて、後から来る人達の心配をする国民。
より良い国づくりのため、政治家を始め、権力を持つ人はもっと信頼される存在となり、つまらないニュースを垂れ流すのではなく、明るく希望に満ちた世論を形成できるような健全なメディアに期待する…そんな2020年スタートの世相でしょうか。
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『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2020年3月号』
2020-03-01