「人は忘れる」。人が記憶した情報が時間の経過と共に消え去る現象について、ドイツの心理学者のエビングハウスが提唱した理論。それによれば、人の記憶は、学習直後から急速に失われ、20分後には、約42%、1時間後には約56%、1日後には約66%、6日後には約75%、1ヵ月後には約79%忘れるとあります。
「バブル経済」。1990年頃、経済大国として世界に評価されながらも、株式や不動産への過剰な期待により投資をしたところ、「バブル=泡」のように膨らみ、実体以上に加熱した経済が破綻しました。証券会社、不動産会社をはじめ多くの企業が経営破綻し、融資した金融機関・政府も含めて不良債権処理に追われました。これにより、多くの日本企業は、損失の処理と共に、健全な経営を目指した反面、保守的な経営にシフト。人員削減といったリストラ。今日でも、社会的課題とされる、「就職氷河期」の世代は、企業が「新卒採用」を手控えた事により不遇の世代とされます。その世代が経済的不安により、結婚・出産をためらった事も、「少子化」の原因のひとつとされます。
「失われた30年」。この間、日本経済は停滞し、「デフレスパイラル(負の循環)」の中、閉塞感漂う時代でした。生まれてからずっと景気の悪い「平成」世代とまで揶揄された。これを脱却すべく、「アベノミクス」が政策として掲げられ、「物価を上げて」、「企業の業績を上げる」。それにより、「賃金も上昇させて」、「経済の好循環」を創ろうとしました。その具体策として「3本の矢」が放たれました。
その旗手であった総理大臣は志半ばで他界。政策の効果としては、株式市場は活性化し、上場株式を保有している人にとっては経済的メリットはあった反面、格差は拡大。円高基調から円安となり、製造業を中心に大企業の業績は回復。その後、賃金も、上昇傾向になってきたところ、それ以上に、物価の上昇が上回る。そこで、今夏の参議院選挙の争点は、国民生活を守る為の、「物価高対策」、「給付金」、「減税」がテーマ。消費税10%は、少子高齢化時代にあって、国の財政的不安を解消し、将来の社会保障(年金制度、医療制度)が崩壊しないようにと国民に説明した制度であったはずでは。
「アベノミクス」により解決していない課題としては、「国の構造改革」、「国民とのコミュニケーションに基づいた将来ビジョンの道筋」が指摘されます。地方の衰退(人口減少、高齢化、コミュニティ不全、地元企業の存続性等)は、木曽地域でも切実な課題であるいえます。本稿を作成している今日は、参議院選挙の投票日。
自分の人生は自分のものでも、自分だけのものでもない。
今月も、お元気様です。(25・7・20)
『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2025年8月号』
2025-08-01