「一寸先は闇」。先月号では、「円安による物価高」を題材に小欄を作成したところ、急激な「円高」となり、重ねて、「株価」が一時的にではあれ、大暴落しました。日経平均株価は、あのバブル期の、「ブラックマンデー」と歴史に刻む大暴落を凌駕する下げ幅でした。バブル崩壊後、「失われた30年」の序章となる出来事だっただけに、今回の大暴落は世界的にも大きな衝撃が走りました。そうは言っても、ここに暮らしていれば、すぐに何か大きな打撃があったかといえば、そういう訳でもなく、世界経済的にも落ち着きを取り戻してきている印象です。論拠や理由はあっても、あくまでも個人的な認識に基づいて原稿を作成していますが、「言った矢先に」、180度転換するような現象が発生する怖さを感じたところです。
今号作成の今日は、「台風10号」が、熱帯低気圧に変わったとニュースで聞く直後です。今回の台風も、「気象予報士泣かせ」と言って良いのか、従来の、日本に上陸した台風の経路や影響を考えた時に、過去の延長線上に物事が考えられない時代を象徴するように感じます。「科学」の世界は、過去に起こった現象を人類が英知を結集し、調査・研究等を重ね、一定の原理・原則をカタチにする。また、膨大なデータを検証し、特に、近年AI技術の向上により、精度の高いデータ分析を活用して、未来予測をしています。自然が相手で、絶対は無いにしても、ある程度の確率の高い予測が可能な時代と思ってみても、今回の台風は、気象予報の難しさを露呈したものになりました。
8月も最終週で、夏の区切りとなるような、イベントも各地で予定されていて、かなり大きな影響を受けたと思われます。相応の経済的損失も、後に公表される事でしょう。特に、鉄道や空路への影響は大きく、立ち往生された方も多いと思われます。「今のところ」、甲信越地域は幸いにも影響は少なく、それにより、影響の大きい東海エリアの迂回路に中央線がなりました。特急しなのも寿司詰め状態。重ねて一時、特急しなのも運休の折には、塩尻~中津川間の各駅停車は、2両の車両が身動きできない都会の通勤電車並に。自然災害は起きる事は止めらません。起きた時にどうするか。「まずは自分の身は自分で守る」ように、日ごろからいざというときの情報収集の方法や判断基準を確保しておく事の重要性を感じる晩夏の出来事です。
「一燈を下げて暗夜をいく。暗夜を憂う事なかれ。一燈を頼め」(江戸時代の儒学者
・佐藤一斎語録~西郷隆盛をはじめ幕末の志士に大きな影響を与えたとされる)。変化の激しい時代。気候変動、社会構造、経済構造が大きく変わっていく時代。我々ひとりひとりが「一燈」を持って生きていく事が求められます。
今月も、お元気様です。(24・9・1)