『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2026年6月号』

2025年の1年間で長野県の人口は1万6,235人減少しました。1日当たり、長野県民が、44人減少している計算。大きな要因は出生数約1万人に対し、死亡数約2万8,600人と大きく上回る「自然減」があります。差し引き1万8,000人超の減少は、統計を遡れる1953年以降で最大規模です。一方、県外との移動では、2,357人の「社会増」となり、4年連続のプラスでした。しかし内訳をみると、日本人は1,258人の社会減、外国人は3,615人の社会増で増加分は外国人が担っています。仮に外国人の転入がなければ、長野県では2001年以降、ほぼ四半世紀にわたり社会減が続いていることになります。人口減少の影響は、日常生活の変化では気づきにくく、一定の時間が経ったときに、大きな変化や影響に気づくところがあります。統計を数字として読むだけでなく、実体に合わせて考え、読み解くことは大切ですね。
外国人増加の理由のひとつに、「外国人実習生」の増加があります。「外国人実習生」とは、日本の「技能実習生制度」の基づいて来日し、日本企業で技能を学ぶために一定期間働く外国人のことです。厚労省によれば、「開発途上国への技能移転による国際協力」を目的とした制度です。この制度は、1993年に始まり、2010年代以降に急増し、2024年末(法務省データ)によれば32万人在留しているようです。木曽にあっても、製造業や介護施設で就業しています。国別には、ベトナム、中国、インドネシアが多くを占めています。目的は、前述のような理由ですが、実体的には、人口減少による労働力不足を補う為に雇用している企業が多いとされます。
今年の年明けのニュースに、新宿区の「成年の集い」へ出席した若者の半数が外国人だったとありました。新宿区では、成年世代の半分が外国人か!?と思いましたが、さすがにそんな事はありません。新宿区では、住民票登録のある成人対象者に案内を出しており、それに応えて出席した人が、日本人と同数程度の外国人だったという事です。確かに、新宿区は、日本語学校・専門学校が多く居住する外国人の若者が多い。日本人は、進学・就職で区外へ転出していたり実家が新宿でも実際には居住していない日本人も多い。また、成人式に参加しない人も多い(全国的参加率は50%前後)のが、理由のようです。
最近、木曽でもインバウンド(訪日外国人)の姿を見ない日はありません。円安の為、割安に観光できるのも理由でしょうが、「日本という国の魅力」は高いと言えるでしょう。安全・安心、便利、豊かな自然環境、美味しい食文化(日本の伝統的食文化はユネスコ無形文化遺産登録)、そして日本人の民族性…。日本で働く外国人、観光に訪れる外国人。摩擦なく日本を好きでいてくれることは、世界平和につながる。日本人全員ができる平和貢献だと思うのは、お目出度い人でしょうか。
今月も、お元気様です。(26・5・10)