『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2025年1月号』

 令和7年(2025年)1月号となります。旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願い申し上げます。「来年の話をすると鬼が笑う」。そんな先の事を言っても、先はどうなるか分からないから、あれこれ言っても始まらないという例え。1年後、地元の金融機関である、「八十二銀行」と「長野銀行」が合併し、ひとつになります。個人、法人とお付き合いのある方は、既に手続きを始められているでしょう。経済社会にあっては1日も金融が滞ると本人のみならず、社会的影響は大きく、鬼に笑われても粛々と手続きを進める必要があります。
 合併後の行名は、「八十二長野銀行」。「そのままやんけ!」と、何故か関西弁口調で突っ込みたくなりますが、色々な理由があるでしょう。単純に、「信濃銀行」、「信州銀行」とかはどうだろうと、不要なお節介を妄想したりしましたが、昭和6年に「八十二銀行」が誕生した前に、「信濃銀行」という金融機関が存在し、その破綻の影響を受けて設立された歴史があるようです。銀行関係者に直接お聞きした訳ではなく、個人的な調べによるもので、そうした経過も織り込まれているかと想像します。
 令和6年に新貨幣が発行され、1万円札に、「渋沢栄一」の肖像画が使われています。日本の資本主義の父と称され、近代化の流れの中、明治時代に「第一国立銀行」を設立(後の、第一勧業銀行、現みずほ銀行)。これを皮切りに、「数字(ナンバー)」のつく銀行が次々に設立。「八十二銀行」は、前身の「第63銀行」と「第19銀行」が合併し、「63+19=82」という事で命名された歴史があります。お恥ずかしい蘊蓄(うんちく)で失礼しました。
 小職、昭和最後の新卒ですが、就職先の人気上位は金融機関が占めていた時代。都市銀行13行。第一勧銀、富士、三菱、住友、三和、三井、太陽神戸、東海、大和、協和、東京、埼玉、北海道拓殖。令和の時代、そのまま名前が残っている行名はありません。
 翻って、プロ野球。2リーグ制が始まったのが、昭和24年。セ・リーグ6球団制は、昭和28年から。パ・リーグは昭和33年。2リーグ制発足から74年。球団名がそのまま残っているのは、巨人・阪神・中日・広島。さて、昨年制覇した球団は?名称が変わって時間が経過し、人々の記憶から消えていく。「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」。時代が目まぐるしく変化し、あっという間に過去と消えていく。
 変化の激しい時代。変化に適応し、一日一日を大切に生きる。地域のお客様に必要とされ、貢献できる会社である努力を今年も続けてまいります。
 今年も、お元気様です。(24・11・29)