『穴熊社長の、蛙鳴蝉噪(あめいせんそう) 6月号』

 この春先の天候が、何か変だと感じます。小欄作成の週には、竜巻が起こったり、ヒョウが降ったり、霜が降りるというニュースが入ってきます。今年の桜は遅咲きと思えば、花見の間もなく散ってしまう。5月も半ばになれば、一気に「山笑う」季節となるはずが、グズついた天気が続く。花粉症もいつの間にか特別な事ではなくなった気がしても、今年は、例年にないようなアレルギー症状が、周りに見受けられる。人為的に環境汚染が進んでいるから、異常気象もあって当たり前と、どこか異変に対しても麻痺してきている感覚はないだろうか。
 未だ収束を見ない福島原発。避難者は故郷には戻れず放射能の拡散は続いているかと思われます。新聞には全国各地の放射能汚染の測定が公表され人体には影響のない程度と言われても鵜呑みにするしかない。5月5日こどもの日に、全ての原発の稼働が停止しました。再稼働を巡っての安全性と言われても誰も保障はできない。従来からだって、食品添加物、農薬や化学肥料。人体に影響のない程度と言われれば、確認の手立てもなく口に入れる。そんな事言ってたら食べるものがなくなると思って、手軽に手に入る食材を家族みんなで食べる。安全と言われても、何がどう安全なのか分からないし、調べる手立ても見当たらなければ、日々の仕事や生活を優先していつの間にか忘れてしまう。そんな事考えてもキリがないと割り切りともあきらめともつかずに放っておく。でも、今は、自分は何とかなっても、こどもや孫は。将来はどうなんだろう。
 いくら便利、必要と言っても、生態系や環境に明らかに悪く、後世に禍根を残すようなことは慎んでいこう。いくら老後の生活に年金は必要でも、未来のこどもたちに負担を残すことは避ける努力をしていこう。 いくら企業として求められても、地球環境や人の健康を害するものを提供して営利を追求することは戒めよう。お客様への安全、安心は確実に確保していこう。
すぐにはゼロにできなくても、取り返しのつかない将来への負担は抑えていこう。
 せめて自分たちがすぐできる事はすぐやって、継続していこうと、風薫る5月を待ち遠しく思います。
 今月も、お元気様です。(12・5・11)
株式会社 エ マ 商 会  代表取締役  依 馬  邦 夫