『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2018年10月号』

「いつまで続くんだろう…」。今夏の始まりは早く、7月から連日連夜、日本の全国各地を猛暑・酷暑が襲いました。40℃越えの最高気温が連日ニュースで伝えられる。いつになれば…さすがに9月の声を聞けば、やはり夏には終わりがあることを感じます。
 従来、夏なると暑ければ暑いなりに、「省エネ」、「電力不足」、「水不足」が声高に叫ばれることが多かったように記憶します。ところが、今夏の暑さは、命にかかわる暑さ。7月中旬に大手電力会社が、猛暑による冷房需要のため、電力の融通のニュースはありましたが、「熱中症対策には、躊躇(ためら)わず冷房を使用しましょう」とNHKニュースのアナウンサーが連呼する。
 「1日に、1ヵ月分の降水量」と聞けば、水不足はないと思う反面、ただ降れば良いという訳でもないだろうと心配するのは、私、「じじいの老婆心」でしょうか!?インターネットで、即座に何でも調べられる時代と検索しましたが、的を得た情報には辿り着けませんでした。専門家の検証を待ちたいと思います。
 この8月に3選された長野県知事。春先、成果の出ない長野県の省エネ目標に、「寒波だ猛暑だと気候を、達成できない理由にしない」とハッパをかけました。省エネ推進団体から当社へもガス会社ということで、職員が来訪こともありました。今夏は目の前の命が優先です。全国の公立学校の殆どは冷房が設置されてませんが、この夏の影響で、例年の3倍もの国の予算付けがされたと報じられました。入院中の高齢者が、院内の冷房の故障による死亡事故。まさに、激甚災害級の酷暑でした。
 原因は地球の温暖化というのは異論はないでしょう。省エネや自然エネルギーの普及、持続可能な循環型社会と言い続けても、結果、現実温暖化による災害発生の前には、「背に腹は代えられず」、躊躇うことなくエネルギーを更に消費する対策を講じざるを得ない。むしろ悪循環にも繋がりかねないもどかしく悩ましい問題です。
 どこにあっても絶対的なエネルギーがあるのではなく、国や地域によってエネルギーの使い方、在り方は異なり、国柄、土地柄によって「ベストミックス」な解がある。当地にあって、単純にエネルギーの提供をする会社にとどまらず、エネルギーと共に地域の暮らしを支えるような会社でありたいと思っています。
今月も、お元気様です。(18・9・3)
株 式 会 社 エ マ 商 会  依 馬 邦 夫