『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2026年2月号』

令和8年(2026年)の元旦は、木曽にあっては、清々しい晴天。気持ちの良い青空が広がり、穏やかな幕開けだったように思います。皆様、良いお正月をお迎えになった事と存じます。

ところが、1月3日。米国が軍事作戦を実施。ベネズエラの大統領夫妻を拘束したニュースが、新年早々世界を驚愕させました。誰もが、今年こそ平和な一年と願うはずですが、急転直下。怪しい雲行き。米国は、麻薬テロ対策と主張しますが、世界一の原油埋蔵量の権益が目的という解釈が支配的。地球の裏側の日本の山間地に暮らしてはいますが、ガス会社として、その影響について関心を高く持ちます。21世紀の今日にあっても資源を巡る争いは絶えません。戦後81年目の今年。先の大戦の発端も、石油資源を巡っての権益が根幹にあります。日本の総理の台湾有事に関する発言から、日中関係が悪化しています。その取引材料として、「レアアース」の日本への禁輸が報じられています。発令が現実となれば、日本経済に大きな打撃は必至。戦前、日本は石油資源の輸入先は米国が中心。米国からの石油の禁輸がきっかけという時代考証もあります。時は変わっても、資源獲得を巡る競争は、今も紛争の火種となっています。ロシアのウクライナ侵攻も地政学的な安全保障が第一義的な理由とされてはいますが、資源問題も内包しています。また、中東の紛争の根幹にも根付いているのでしょう。

日本の諺に、「子孫に美田を残さず」とあります。過度な財産を残し過ぎると、努力する精神を失い、子孫が怠けたり堕落する事を戒めた言葉とされます。日本の伝統文化を如実に表現していますね。石油資源はおろか、平坦な田畑すら希少な日本国。「美田」どころか「油田」のある国の発想や価値観は、我々の想像を絶するものなのでしょう。日本は、国土も狭く、山間地も多い為か、農業は大きな産業とならず、食料自給率も低い国となっています。令和の米騒動にあって、「美田」に恵まれている人はどれだけいるのでしょう。

自国ファースト、分断、格差…。国益、自分の身は自分で守る事は必須としても、これほどまでに進歩したはずの人類が、現代にあっても争いが絶えない。人類の幸せのベースとなる平和、人と人が助け合う世界に、何故なれないのか。技術や科学の目覚ましい進歩のように、「心の進歩」、「心の成長」を大切できる地球である事を願います。「和」の伝統文化を継承する日本にしかできない事もあるはず。元旦の青い空の、青い地球に住む一人として。

今年こそ、平和に、お元気様です。(26・1・12)