「2050年には、日本の総世帯数の44.3%が一人暮らし」。…今から、26年後。その中に私は入っているのか?その時、私はこの世に存在しているのか?それとも…。
今から26年前は、平成10年。長野冬季オリンピックが開催された年。過去の歳月と未来の歳月の尺度は異なるにしても、この統計予測を自分事と捉えてみると、今を生きる私たちの、今すべき事は山のようにあるように思います。
「少子高齢化」、「人口減少」。これに起因する社会的課題は多く、身の回りの生活でも実感する事も増えています。現実にご高齢で独り暮らしの方。気丈に明るく毎日を大切にお過ごしとは思いますが、色々なご苦労や不安も多いと慮ります。親の介護の切実な問題。会社や職場でも、人手不足、人口減少による消費市場の縮小により事業継続の危機。空き家の増加、地域活動の継続可否、地域の活力低下…誰しも実感していますね。
人は生まれても、自分以外の人の助けがないと生きていけない動物です。生まれてすぐに歩ける人間は一人もいない。動物の中には、自らを外敵から守るために、生まれてすぐに立つ動物もいますが人間はそうではない。亡くなる時は一人かもしれないけれど、多くは、誰かに看取られる。亡くなる前や亡くなった後も人の力を借りずにはいられない。この世に生を受けた以上、誰しも必ず両親はいて、それがずっと続いてきたから自分がいる。それが自然の摂理。その続いてきた自然のサイクルが従来と変化してきた。自分の代でそれが途絶える。その原因や理由は様々な解釈はあっても、人口減少を事実としてとらえると、そんな表現も可能と思います。
2020年⇒2050年の65歳以上の男性独居率は16.4%⇒26.1%、女性23.6%⇒29.3%。女性は長寿傾向で独居率が高い。男性は未婚率の上昇により単身世帯の上昇の見込。
65歳以上の未婚率。2020年⇒2050年男性33.7%⇒59.7%、女性11.9%⇒30.2%。65歳以上の男性の6割が未婚。想像しがたい未来の日本。この影響を最も受けるのが介護分野とされます。今でも、介護施設の人手不足は深刻です。配偶者、子ども、兄弟姉妹といった近親者がいない独居世帯が増えると、介護保険の利用者の増大が見込まれます。
介護保険料は原則40歳以上の国民全員に賦課され、制度導入の平成12年の全国平均は月2,911円が令和5年度は月6,014と上昇。令和6年度は保険料見直しの年。料率は、各自治体によって異なり、大都市の大阪では平均月9,249円で年額10万円超。
これらは必ずそうなると理解するより、放っておけばこうなる。その為に、私たちは何をすべきかを考え行動する事が必要と教えてくれる未来予測のデータ。そう考えるのが正しいのでしょう。
今月も、お元気様です。(24・5・28)
*統計データは国立社会保障・人口問題研究所から引用(令和6年発表)