「町が良くなれば店も良くなる。店も良くなれば町も良くなる」。3月某日の朝の5時台のNHKニュース。広島県庄原市の本屋さんが紹介され、店主が答えた言葉に、心に響くものを感じました。今の日本にあって、本屋さんは年々減少しています。もちろん本屋さんのみならず、時代が変わり、どの町にもあったお店がどんどん減っています。広島の人口2万人の町にあって、以前は倒産の危機にあったところ、「地域に暮らす人たちの困りごとを解決する本屋」としての理念に立ち努力してきた。本を求めてくるお客さんは、何かしら解決したい課題があり、その為に本に解決方法を求めて、探しに来る。そのニーズに応えていくうちに、書籍以外の商品を販売したり、店主が、お客様の悩みに寄り添って相談にのる。カフェ、雑貨販売、化粧品販売、美容室の併設…と、地域に必要とされ、地域活性化に一役買う本屋さんとなり、業績も向上。不登校だった少年も雇用し、今では、店主の片腕にまで成長…そんなニュースの一コマ。ご覧になった方もいるかと思いますが、そんな内容でしたよね。
「店は客のためにあり、店員とともに栄える」ユニクロの創業者、柳井正氏の執務室に飾ってある額に書かれているそうです。ユニクロという会社を世の中の多くの方はご存じかと思います。戦後、山口県に個人事業として創業した紳士服のお店を3代目の柳井正氏が世界的企業に発展させ、今や年商2兆円の大企業です。「商業界」という戦後の経営専門誌の編集長を務めた故倉本長治氏の言葉を経営の原点にしてきたとの事。柳井氏の言葉として「そもそも、儲けようとしたら絶対に儲からない。誰も人を儲けさせようと思って、応援してくれる人などいない。儲けは、己の全身全霊をかけて人に喜んで頂く先にある。結局のところ、応援してくれる人を何人つくれるかが全て。倉本長治さんはそれを、『お客様という名の友をつくれ』と言っている」という某書の記述があります。加えて「行動に移せば、成功する事も失敗する事もある。しかし、間違いはない。失敗はどうしても防ぎようがなく、『起きる事』。間違いは防ぐ事ができたのに、『犯すもの』。失敗の先には希望や将来があり、『成功』が待っている。間違いは怠惰と共にあり、後悔へとつながる。失敗は前向きなチャレンジがもたらす果実。間違いは不完全な人間ゆえに抱える負債。だから失敗を恐れない勇ましさと素直な心を持とう。」企業の大小はあっても、本物の言葉は響きます。
この春、本社店舗を改装・移転しました(場所は従来の隣地)。多くの経営課題は山積していますが、次の時代に向けて、気持ちも一新。より良い未来の為に、一歩前へ。
今月も、お元気様です。(24・3・28)
『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2024年5月号』
2024-05-01