『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2023年12月号』

 「きんさん、ぎんさん、双子の100歳」。1990年代に、100歳を超える長寿の双子の姉妹という珍しさもあり、「理想の老後像」として国民的人気を博しました。お二方とも愛知県出身で、同郷という事もあり、元首相の海部俊樹氏が葬儀委員長を務めた記録があります。令和の時代にあっては、100歳の薬剤師、100歳の中華料理人、100歳の化粧品販売員…といった、現役で仕事をしている方々がメディアで紹介されました。今秋発表の統計では、働く高齢者の数は19年連続で増加し、912万人で過去最高。労働者人口の下限年齢の15歳以上の就業者は、6723万人なので、7人に1人が高齢就業者となります。

 年齢別にみると、65~69歳の50.8%、70~74歳の33.5%、75歳以上(後期高齢者)の11%の人が就労しています。2020年に「連合」が実施した「高齢者雇用に関する調査」によると「働く理由」として1位は、「生活の糧を得るため」。年金生活で悠々自適は夢物語?今の日本の社会保障制度の限界も感じます。2位以下は、「健康維持」、「生活の質を高める」、「生きがい」といった前向きな理由もあります。少子高齢化が原因のひとつとされる「人手不足」。これを補うにも、高齢者の就業は必須な時代になっています。「少子高齢化の先進地の木曽」にあっても、弊社もご多分の漏れず、支えていただいています。事業の存続にあっても欠かせない担い手です。人手不足を補うべく、デジタル化の推進も喫緊の課題です。お客様に置かれましても、変わらぬご理解、ご協力をお願いするところです。

 こうした日本社会の現実の一方、海外に目を向ければ、ウクライナでは未だ休戦、終結は見えず、また、イスラエル、ハマスにあっても戦闘が勃発。拡大の懸念が続いています。特に、やイスラエル、「ガザ地区」にあっては、非人道的な戦闘により、多くの子どもたちが、戦火で命を失っています。歴史的、宗教的には、複雑なところがあり、我々日本人の文化や歴史からすると理解しがたい理由があります。また、穿った見方をすれば、戦争がある事によって、利益を得る人たちが、この世の中に存在し、罪のない人の命を犠牲に、利益を貪る人がいるということです。目下のところ、日本には戦火が飛び火している状況ではありませんが、弊社が取扱い、お客様にご愛顧頂いているエネルギーは、価格高騰による大きな影響が出ています。高騰化対策として公費が投入されて緩和はされている面もありますが、次世代~少子のみなさんに「ツケ」を回す事は否めません。人によって幸せの価値観は異なる「多様性に時代」かもしれませんが、平和である事は、人として共通の命題でありたいと思います。
 今月も、お元気様です。(23・10・30)