「みんなが悪い」…。某団体の広報誌から、ある小学生の作文からの引用です。
『きょう、私が学校から帰ると、お母さんが、「お兄ちゃんの机を拭いていて金魚鉢を落として割ってしまった。もっと気をつければよかったのに、お母さんが悪かった」と言いました。するとお兄ちゃんは、「僕が端っこに置いておいたから、僕が悪かった」って、言いました。でも私は思い出しました。きのうお兄ちゃんが端っこに置いたとき私は「危ないな」って思ったのにそれを言わなかったから、私が悪かったと言い出しました。夜、帰ってきてそれを聴いたお父さんが、「金魚鉢を買うとき、丸い方でなく四角い方にすればよかったなあ。お父さんが悪かった」と言い出しました。そしてみんなが笑いました。うちはいつもこうなんです。うちの家はいつもみんなが悪いのです。』・・・もう10年以上前に目にした文書ですが、何となく微笑ましい家族像に心が温かくなって残していた記録を引っ張りだしてみました。
失敗したり、迷惑をかけたりすれば、素直に謝る。当たり前のように思ってはみても、その場になると、意外と言い訳をしたり、他責としてしまうのも人の性。誰でも失敗や間違いは、したくなくてもしてしまいます。問題は、その後。過去に戻る事はできないので、失敗や間違いは、迷惑をまず詫びる。完全には戻すことはできなかったとしても、すぐに修正したり正す努力はできますね。その時間も、短かければ短い程、良いはずなので、迅速な対応が必要。結果、失敗した事や間違った事も、無かった事のように人は忘れてしまう事もあります。中国古典に、「君子豹変(ひょうへん)す」という言葉があります。近年は、「変わり身の早い人」という解釈もありますが、元来は、「誤りと気づいたら、すぐに善に行動を移す」という故事成語(こじせいご=昔、中国であった出来事、古典に書かれた出来事をもとに生まれた教訓。諺。)とされます。
この5月には、G7サミットが、唯一の被爆国の被爆地のひとつである広島で開催されました。G7の国々は、日本、米国、英国、独国、伊国、加国、仏国と欧州連合(EU)が枠組みとなっており、今回、グローバルサウス(南半球に位置し、先進国に比べ、経済的恩恵が十分に及ばない途上国を指す)と呼称される国々(インド、ブラジル、インド、ベトナム等)も参加し、世界的に各国共通して解決すべき課題について協議がされました。ウクライナのゼレンスキー大統領も電撃訪問し、成功裏に開催されたと評されています。しかしながら、成功のゴールは、「戦争の平和的終結」、「核の廃絶」。各国、首脳が、「みんなが悪い」と思って解決することが必要かと思います。勿論、日常の自分自身も顧みて。
今月も、お元気様です。(23・5・28)