『穴熊社長の蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2023年3月号』

「カーナビゲーションシステムって、なあに?」と聞かれれば、自動車を所有して、運転する方であれば、誰もがその恩恵にあずかっているものだと思います。「あ、カーナビね。なくちゃならないね。」と、私も尋ねられたら、そう答えます。辞書的表現をすると、こんなところかと。「自動車に搭載される情報機器の一種で、道順案内などを行い運転者を支援するシステム。 地図データや施設情報のデータを内蔵し、目的地や現在地周辺の施設などの情報を検索したり、地図上に表示したりすることができる。 また、走行中に GPS などで現在位置を自動的に割り出し、システムに記録された地図と照らし合わせて、画面上の地図に経路を表示したり音声などで道案内を行い、目的地まで運転者を導く。」免許の返納をお考えの世代になれば、操作が苦手…という方もあるかもしれませんが、とても便利。

小職が、自動車免許を取得したのは、1984年(昭和59年)。その頃には、カーナビは、無かったように記憶しています。商品名を挙げて恐縮ですが、「マップル」(昭文社発行でしたっけ)といった紙の地図を車載し、事前に目的地までの経路を予習する。目的地付近では、路肩に停車し、到着経路を確認したり…。ちょっと停めさせてもらうようなコンビニの駐車場も、今のようにたくさんありませんでしたね。同乗者が居れば、地図と首っ引きで、「人間カーナビゲーション」。そうそう、高速道路のETC(有料道路の料金ゲートのシステム)だってありません。近年では、2,3年行かないと新しい道路ができていて、チンプンカンプン。この感覚、昭和生まれの郷愁でしょうか。

「カーナビ」が機能する前提として、GPS(衛星測位システム)があります。複数の宇宙衛星からの信号を受信することにより自身の現在位置を知る事ができます。この技術は、元来、軍事目的で米国が開発・利用していましたが、米ソの冷戦が融和に向かい、大韓航空機撃墜事件発生後、民間機の安全な運行確保の為、当時の米国レーガン大統領が民生的用途(非軍事)に開放が表明されたと言われています。軍事利用と共に技術が向上し、結果、それが、人類の豊かな暮らしに援用される歴史的な事例は他にもありますね。

インターネット、スマホ…近年、急速に普及し、気づいてみれば、なくてはならないモノに。益々増えています。けれど、利用の仕方には、倫理が必要です。高度に発達した情報技術を悪用し、海外から、日本の若者を利用し、大規模・組織的な強盗殺人事件が発生しました。人類の技術の発展は、人類の幸せの為に活用するもの。「核」も、平和的な利用がされる事を、心から願います。
今月も、お元気様です。(23・1・30)