「もはや戦後ではない」。昭和31年度(1956年)の経済白書に記述され、戦後復興の終了を宣言した象徴的な言葉として流行語になった。朝鮮特需(昭和25年に勃発した朝鮮戦争により国連軍の軍需物資が日本に殺到)の影響もあり、日本の戦後の経済復興に大きく寄与したと歴史の記録があります。昭和31年に生まれた方は、現在65歳を過ぎ、高齢者と呼ばれる世代になっていますね。
「もはや昭和ではない」。それを捩(もじ)ってか、この6月に政府から「男女共同参画白書」が発表されました。人生100年時代に家族や女性の人生が多様化した事を裏付けるデータが公表されています。
これらの白書は、データーを元に、現状を客観的に把握し、これからの未来に対して課題を整理し、問題解決の方策を講じたり、ありたい未来、あるべく未来を描くのに活用していく政府の指標となるものと言えましょう。小紙がお手元に届く頃には、参議院選挙も終わり、新たな政策が実行に移されていく事になります。
ちょうど1年前の小紙に、日経新聞の大企業100社の経営トップの記事を引用しています。昨夏の予測では、今年の年明けには、コロナ禍は終息し、コロナ前の経済状況に戻るとされました。現実は、年明けから、オミクロン株が急拡大し、各地で蔓延防止等重点措置が発令された。ようやく春先から落ち着きを見せたものの、この2月からは、ロシアのウクライナ侵攻が始まり、世界は大きく揺れています。日本を代表する大企業の経営者の予測は大きく外れ、今回の選挙の公約も実現されるかは分かりませんが、我々も当事者意識をもって、現実を直視したいところです。
昭和の時代の家族のモデルである、「サザエさん」一家。三世代の同居、お父さんは会社員で、奥さんは専業主婦。それをベースに社会制度も設計された。その後、タラちゃんはどんな人生を歩んだのか。逆算すれば、タラちゃんもおじいさん。令和にあって、婚姻件数・年約60万件、離婚件数・年約20万件。30歳時点の未婚割合は、女性40.5%、男性50.4%。50歳時点で配偶者のない割合は、男女共に約3割。将来結婚の意思なしと回答、20代女性14%、30代25.4%、男性20代19.3%、30代26.5%。昭和とは異なる多様な価値観の令和の時代。
ありたい社会を目指して制度や秩序を構築してく場合と、現実がこうだからとそれに合わせて構築してく場合とでは、取り組む姿勢や未来は異なるかと思います。男女共同参画社会にあっては、100年という長い人生を経済的な困窮に陥る事無く、人間としての尊厳と誇りをもって生きていける日本社会を目指すとあります。
その前提には、まず、世界が平和である事が必要ですね。
今月も、お元気様です。(22・6・29)