「プロパガンダ」…最近、ニュース等でよく耳にする言葉ですね(プロパンガスとは全く関係ありません!!)。辞書的に言うと、「特定の思想によって個人や集団に影響を与え、その行動を意図した方向へ仕向けようとする宣伝活動」の総称。特に、政治的な意図をもって行われる宣伝活動を指す事が多い。ある決まった考えや思想・主義あるいは宗教的な協議など、「一方的に喧伝(けんでん)」するようなもの、刷り込もうとする宣伝活動を指します。一言で言えば、「政治的宣伝活動」という表現が妥当かも知れません。
語源は、イタリア語で、18世紀にカトリック(宗教)の海外伝導の為に設けられた組織の事を言い、英語で「伝導」の意味を持つ原語となったラテン語が源だそうです。歴史的には、第二次世界大戦時に、ナチスの勢力拡大にあって行われた宣伝活動の影響により、言葉として定着したという見方もあるようです。
前置きの説明が長くなりましたが、ロシアのウクライナ侵攻に関するニュースの折に見聞きするのではないでしょうか。戦争の指導者が、映像やメッセージをを通して、自国の軍隊や国民の士気高揚の為に発信する情報。戦争も、「情報戦」、「心理戦」の側面もあり、「政治的宣伝活動」は戦況に与える影響も大きい。自国への影響のみならず、外交的な影響も。何となく、分かったようなつもりの耳から入る言葉でも、掘り下げてみると感じるものも変わってくるかも知れません。
情報の手段が限られている時代と異なり、現代は、様々な情報伝達の手段があります。特に、インターネットやスマホでも使用できる「高速・大容量・高品質」の第5世代の通信技術が発達しており、それらの手段を活用した「プロパンガンダ」は想像以上に効果が大きいのかも知れません。反面、それを統制すれば更にその効果も増幅させる可能性もあります。
極限的な「戦争」のレベル、政治や外交における「プロパガンダ」という名の宣伝活動。広く宣伝活動といえば、商業的にも日常的にある話です。コロナの感染対策や感染拡大状況、災害対策の啓蒙、お金詐欺対策(振込詐欺)と言った行政の広報活動も宣伝活動に類した面もあります。世間に溢れる情報…受け手である私たちは、何をもって判別・峻別していけば良いのか。
ひとつの基準は、「伝える人の意図」ではないでしょうか。意図が「善か悪か」。「誰の都合か」。「誰のためになるか」。読み取る事は、難しいところもありますが…。直観的な判断は、「何かおかしいと思ったんだ…」。騙された人が、後から必ず言う言葉。こんな直観的な感性も、人間には大事な感覚かも知れません。小紙が届く頃には、平和的・希望的に戦禍の終息を迎えている事を祈ります。
今月も、お元気様です。(22・4・22)