『穴熊社長の、蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)2017年6月号』

 

 働き方改革』という言葉を、ここのところ頻繁に見聞きするようになったかと思います。日本を代表する広告宣伝会社の「電通」の若い女性社員の長時間労働に起因するとされた痛ましい事件をきっかけに、国や企業が急速に問題解決に取り組み始めました。元々、日本にあって、長時間労働は、課題でありながら、見過ごしてきました。しかし、今回は、トップ企業から中小企業に至るまで、本腰モード。日本は、「働かざる者、食うべからず」という諺があるように、非常に勤勉で、勤労を美徳とする伝統文化があります。欧米文化は、労働は苦痛であり、その対価として報酬を得るという考え方。そうした仕事観ばかりが理由ではないでしょうが、世界的にも、日本は労働時間が長く、生産性が低い(極端に言えば、長く働く割には成果に乏しい)とされてきました。

 少子高齢化により、「労働人口」も毎年減少。大企業から、弊社のような零細企業まで、人手不足で、雇用の確保は、会社の存続の大きな懸念材料。この3月の長野県の高卒の内定率は過去最高。大卒もあっという間に、採用活動も終了してしまう昨今。今春卒業の大卒は、生まれた時から今まで、日本経済は殆ど成長していない時代でした。そんな新社会人にとって、長時間労働は、ブラック企業の象徴。なるべく休みも多く、給料も良い会社が、ホワイト企業。確かにそうだけれど、そんな会社が世の中にどれだけあるでしょうか。でも、そういう会社でなければ、会社が存続できない時代になりました。

 労働力の確保として、国も、女性の活躍、シニア世代の活躍を推進。取り組む企業も増えてます。そして、IT化。更には、AI(人口知能)の活用から、ロボットの導入。3年後の東京オリンピックには、高速道路では自動運転が可能になる。それは、車のロボット化への序章です。

 今では、当たり前の宅配便。そのトップ企業であるクロネコヤマトは、荷物の受入制限や値上げを表明。人手不足がいちばんの理由。今日頼めば、木曽の山間地に居ても、次の日に届く。都市部では、当日配達も。実質創業者の故小倉昌男氏。昭和の時代に、理不尽な運輸官僚と対決し、「お客が先。利益は後。」と、サービス第一主義で、世界に誇る宅配サービス事業を構築。その成長を、「人手不足」の壁が立ちはだかります。

 お客様のご理解・ご協力により、弊社も5月は連休を頂戴しました。ここ数年、土日休業もさせて頂いております(もちろん、事故につがるような緊急時の体制は整えていますが)。ご不便をおかけすることも多々あると存じますが、改めてお詫びと感謝を申し上げます。働き方改革は、休み方改革。ひいては、「生き方改革」とも言えると考えます。働き方改革を通して、成熟社会の、「幸せ」が問われている気がします。

今月も、お元気様です。(17・5・5)



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